「!?」
バロア池に着いたジェイクは、絶句した。
「あ・・・あ・・・」
驚きのあまり、言葉が出なかった。
というのも。
「池が、綺麗になってる!」
モンスターは1匹もいなかった。
池の中の大きな魚は変わらずに居るのだが、その点を除いては、
本当に池が、いや、池だけじゃなく、周辺も綺麗になっていた。
「やあ、驚いたかい?」
突然背後から声がしたので、ジェイクは驚いて振り向いた。
そこには、以前バロア池のモンスター駆除の依頼者がいたのだ。
「驚いた・・・モンスターが居なくなってる・・・」
依頼者は、ウインクしてこう言った。
「君のおかげだよ、ありがとう」
「ああ・・・どうも・・・」
驚きながら、ジェイクがそう答えたのだが、更に驚く事になるとは思いもしなかった。
「どうやらモンスター達は、バロア池に居たら駆除される一方だから、
ここに居ても仕方ないと思ったのかもしれないな」
「はい。駆除しても再度現れるから、駆除の意味ないかと思ったけど、あきらめずに駆除し続けてよかったです」
「実は、それだけじゃないと思うんだ」
「?」
「風船を2個とも割られて、池に落ちた時があっただろ?」
「・・・あ、見てたんですね」
ジェイクは少し赤面した。
「あの時、君の知り合いが現れて助けてもらってたんだよね」
「・・・はい」
「モンスター達は、自分たちを駆除し続ける人間を、自分たちが池に落として逆に駆除してやろうかと思ったけど、
引き上げる別の人間が現れたから、邪魔する人間を池に落として駆除しようとしても意味がない、って思ったんじゃないかな」
「そうかもしれません・・・」
「このままバロア池に居ても駆除されていく一方だから、モンスター達は、もう来なくなったと思うんだ。
もちろんこれは、私の推理なんだけどな」
「その推理あってるかもしれませんね」
「モンスター駆除の依頼は、これで一旦終了するよ。でも、また出てきたら駆除を頼むから、その時はよろしく頼むよ」
依頼者のその言葉に、ジェイクは、
「はい」と答えた。
「これでお茶でも飲みたまえ」
と、今回も依頼者は封筒に入ったお茶の商品券をジェイクに手渡したのだった。
モンスターはバロア池に来なくなった。
これは単に、別の池に行くようになっただけであった。
後日、どこかの遠くにある池に風船を付けた鼻がとがったモンスターが現れ、
どこかの便利屋に駆除の依頼が来る事になったが、
それはまた別のお話。
<終わり>