場所はルイージの家。
かつてオバケ退治で入手したお金により、建てた豪邸だ。
その家には今、ルイージと1匹の犬が住んでいる。
犬といっても普通の犬ではなく、オバケ退治の最中に出会った、オバケの犬、通称『オバ犬』だ。
「そろそろご飯にするかな」
そう言って、ソファに座っていたルイージはキッチンに向かった。
ご飯といっても彼の食事の事ではなく、オバ犬の食事だ。
ワン!ワン!
オバ犬の声がする。
「待っててね、今ご飯作るからね」
その声にルイージが返事した。
オバ犬はオバケの犬なので、普通の犬のご飯は食べられない。なのでオバケ用の調理が必要だ。
ルイージは、普通の犬用の食事を作ると、キッチンの倉庫から、オヤ・マー博士からもらったオバケ用のご飯作成用の道具を取り出した。
そして作った普通の犬用の食事をその道具に流し込むと、横に置いたメモを読み始めた。
このメモにはオバケ用のご飯作成の手順を書いてある。間違うとオバケは食事を食べられないのだ。
「これでよし、っと」
オバ犬のご飯の、オバケ用の加工を済ませると、ルイージは容器に移した。
「はい、お待たせ」
床で待ってるオバ犬の前に、出来上がったご飯を置いた。
嬉しそうにするオバ犬だが、食べずにルイージの顔をじっと見ていた。
「うんうん、食べていいよ」
その言葉を聞き、オバ犬はご飯を食べ始めた。
-----ルイージとオバ犬は、不思議な出会いだった。
かつてオヤ・マー博士の研究所と、彼が所有する5件の屋敷がダークムーン破壊によりおとなしいオバケが大暴れし、
その対処を探る要員としてルイージが駆り出された。
その屋敷探索中に彼とオバ犬は出会ったのだが、最初のうちはオバ犬側が、ルイージにイタズラするような形であった。
もともとオバ犬は、さまようオバケの犬で、飼い主になってくれる者を探していたのだが、もちろん、誰でもいいわけではなかった。
ある日を境に屋敷にやってきた『人間』に対して、さっそくオバ犬はイタズラをしたのだが、
その『人間』は驚きはしたものの、オバ犬に対して叱咤したり追い払ったりはしなかった。
やがてオバ犬は、その『人間』が屋敷に来ている事情を知ると、本人にはわからないよう協力をし始めた。
その『人間』が屋敷のオバケの攻撃により強制的に眠らされ倒れてしまった場合、その『人間』の顔をなめて起こすようにしたのだ。
但し、自分の好物の金の骨を持ってる時限定だったが。
オバケとはいえ犬なのである。やはりご褒美は欲しいのだ。
やがて、屋敷に来ていた『人間』が、屋敷に来ていた目的を果たして帰ろうとした時、オバ犬はその『人間』の後を追いかけて行った。
そして、その『人間』が自分の家に帰途し、のんびりしている時に、オバ犬は、その『人間』に飛びついた。
もちろん、その『人間』とはルイージの事である。
ルイージはオバ犬を受け入れ、自分の屋敷で一緒に暮らす事にした。
また、オバ犬の方もこの時点で既に、ルイージに対してすっかりなついていた。
「ほんと、不思議な出会いだったよな-----」
夢中でご飯を食べるオバ犬を見ながら、ルイージはつぶやいた。
彼はその時は、思わなかった。
オヤ・マー博士が自分をGC(ゴーゴーカメラ)で強引に呼び出して来ることを・・・
突然ルイージの頭上でコンピューターのような音が鳴り響いた。
「!?」
この音は・・・!
彼はとっさに額を両手で覆った。
もちろん、その防御策(?)は、全く意味はない。
「GC(ゴーゴーカメラ)の音!?オヤ・マー博士からの呼び出しなの!?」
しかしその驚きを無視するかのごとく、ルイージの体は頭の先から順に、ドット絵のような荒い粒々のように形を変わっていった。
やがて、その粒々が1個1個と順番に消えていく。転送されているのだ。
「うわあああっ!?」
声を上げるルイージだが、だんだんその声は、かき消されていった。
転送中、流れる緑色の不思議な空間を漂いながらルイージは思った。
「なんで呼び出しに電話を使わないんだろう・・・メールとかでもいいのに」