「うわあっ!」
ルイージが転送された先は、もちろんオヤ・マー博士のラボ(研究所)だった。
彼の声が上がった直後、ドスン!と音がした。
転送されたときは、なぜか体が浮いているのだ。
慌てて周辺を見、やはり転送先はラボだったという事と、目の前にオヤ・マー博士がいるのを確認し、ルイージは立ち上がった。
「やあルイージ君」
何事もなかったかのように、オヤ・マー博士が言った。
「・・・何ですか」
いやな予感しかしなかった。過去にもこんな形で呼び出しされた事があったのだ。
オヤ・マー博士の屋敷のオバケがダークムーン破壊によりオバケが暴れるようになった時だ。
あの時も、転送の形で強引に呼び出されたのだ。
「いや、急に呼び出してすまんね」
「はあ・・・」
「実は頼みたい事があってな」
「また、オバケ屋敷探索ですか」
「それもあるんじゃが・・・」
オヤ・マー博士は、そう言うと、オバキュームを取り出して見せた。
反射的に「やっぱりオバケ屋敷の探索なんですか」とルイージが言ったが、直後に彼は動きを止めた。
オバキュームの外見に、以前とは大きな違いがあったのだ。
「サイクロン式だ!」
----読み通り! と、オヤ・マー博士は内心ニヤリとした。
初回・2回目にオバケ屋敷探索に使用したのと違い、オバキュームはサイクロン式になっている。
思惑通り、ルイージはオバキュームがサイクロン式になっている事に注目したのだ。
「そう。 オバキューム改良型じゃよ」
さっそくルイージはオバキュームを背負い、吸引力を試してみた。
手に持って空中に先を向けて、スイッチを入れてみる。
「おおっ・・・!」
かなり強力な吸引力を感じ取れた。
もちろん、これまでのオバキュームもかなりの吸引力だったが、改良型は、さらに吸引力は強かった。
「すごい! これで、吸引に苦労した大型オバケも捕獲しやすくなりそうだな!」
「・・・じゃろ?」
「ところでルイージ君」
改良型オバキュームを眺めているルイージにオヤ・マー博士が言った。
「・・・なんですか」
「そのオバキュームの威力を確かめて欲しいんじゃよ」
----やっぱり!と、ルイージは思った。
しかし、改良型オバキュームは、かなり吸引力が強いので、彼も試してみたい気持ちはあった。
とはいえ、試してみると言っても、どこなんだろう?そう思ったルイージは、聞いてみようかと思ったのだが、
それを察したオヤ・マー博士は、
「その前に、改良型オバキュームの説明をするかのう。 もちろんサイクロン式になって吸引力が強力になっただけじゃないからな」
と言ったのだった。
「まずはストロボの発光を強化したぞ。 かなり強い光だから直(じか)に見ないようにな」
試しにルイージは、オバキュームのストロボを発光してみると激しい光が前方を照らした。
「確かにこれ、直接見たら目を傷めるどころじゃないですよね・・・」
「次に、簡単な飛び道具が出るようになったぞ」
「飛び道具?」
「存在が曖昧なオバケには効かない、物理的な飛び道具じゃ」
「へえ、それはいいかも・・・」
「ここを押すと出るぞ」
オヤ・マー博士が指差した場所を押すと、ポーン!と音がした。
飛び出したのは、トイレ掃除道具のラバーカップだった。
(ラバーカップは、トイレのスッポンと言えばわかるかもしれない・・・)
「ラバーカップですか・・・」
「先端がとがった物が出てくると思った?」
「思った」
「先端がとがった物を使うのならば、わざわざ飛び道具にせず剣を持たせるようにするぞ。
ただ、余計な殺傷は好まんのでな・・・」
「確かに、これまでのオバケ屋敷探索では、剣のような武器はなかったですね」
「あくまで、物理的な存在相手の対処用の道具であるからな」
<余談>
リアル掃除機の紙パック式とサイクロン式の違いは、吸い込んだゴミを溜める仕組みの違いだけで、吸引力は別件となります。
サイクロン式だと吸引力がすごい強力なイメージがありますが、あれはダイソンなどの高価な掃除機限定です。
手頃な値段だと、サイクロン掃除機でも紙パック式と、あまり変わりません。
(電気店で実際にサイクロン掃除機を試してみた管理人Ruiより)