「さて、それでは行ってもらう場所を説明するかの」
そう言ってオヤ・マー博士は大きな地図を取り出した。
「大きな地図だなあ・・・なんだか見た事ないような土地だな。 結構遠い所なのかな・・・」
「△△地方の、かなり山奥にある、大きくて古いお城でな」
「お城!? 屋敷ではなく?」
「そうじゃ。 古くから歴史のある、大きなお城じゃよ」
「大きなお城って・・・僕1人で探索しきれるかな・・・」
「まあ、新型オバキュームの威力や性能を確認するだけなんで、全部の場所を見て回る必要はないんじゃが」
オヤ・マー博士は地図のある場所を指さした。 その場所には大きくて古びたお城がある。
「このお城じゃよ」
「このお城・・・。 その前に部外者が入っても大丈夫? 見張りに止められませんか?」
「ああ大丈夫じゃ。 このお城は今は人間は住んでないし、見張りもいない。たまに城内の宝物を探しにくる人間が来ることもあるらしいがの」
「人間がいないという事は・・・つまりオバケ屋敷状態・・・」
「そういう事じゃ。 つまりそのお城に行って、新型オバキュームの威力を試してほしい」
「・・・僕1人で・・・」
強化されたオバキューム装備するとはいえ、やはり1人で行くには不安がある。
「ピンチになったら助けが行くように手配しておくから、安心しなさい」
「・・・」
ルイージは腕を組み、考え始めた。
いきなり呼び出して、新型オバキュームを使って古びたお城を探索してくれと頼まれた。
しかも1人で。
ピンチになったら助けが来るよう手配するとの事だが。
過去にオバケ屋敷探索が2度があったが、それは2回とも、最終的にはキングテレサを捕獲し、絵に閉じ込められた兄を助けるという結果だったが。
-----ん? 絵に閉じ込められたのは兄さんだけじゃないぞ?
2度目のオバケ屋敷探索の時は、オヤ・マー博士の助手のキノピオが屋敷探索中に絵に閉じ込められたのもあったのだが・・・
「そういえば、助手のキノピオ達はどうしたんですか?」
「ああ、助手のキノピオ達はな、今は全員いないんじゃ」
「まさか2度目のオバケ屋敷探索の時のように、先に偵察に向かわせたとか・・・」
「いや、そうじゃない。今は休暇を取ってるんじゃ」
「休暇? 助手全員同時に取ったとか?」
「うん・・・急にな、休暇を頂きたいって助手全員揃って言って来てな」
「急に!? 何か前触れは?」
「いや、ない」
「うーん・・・」
「さすがに休暇をもらいたいと言われたら断れないしな。 とりあえず休暇期間を確認してすぐに休ませたんじゃがな」
急に全員一斉に休みを取るというのは、明らかにおかしい。何か前触れがあるはずだ。
「その休暇申請前辺りの時間に、博士はどうしてました?」
「先ほど見せた、オバキュームの改良型を製作中だったんじゃが・・・」
それを聞きルイージは、ああ、そういう事か、と察した。
オバキュームの改良型を作成するという事は、新たにオバケ屋敷探索をする事になる。
もちろん、オバケ屋敷探索はルイージの役目だという事は前提だろうけど。
ただ、助手のキノピオ達は、こう思ったのだろう。 また偵察に行かされるのではないかと。
かつてルイージが2度目の屋敷探索した時に、彼が屋敷に行くより前に、オヤ・マー博士は助手のキノピオに偵察に向かわせたのだが、
キノピオには護身出来る物や武器などを装備させずに、オバケが巣食う屋敷に向かわせたのだ。
その時にキノピオ助手達は、オバケに捕らわれ絵の中に閉じ込められ、後にルイージに助けられた形になったのだが。
また同様に偵察に行かされるのではないか、と、キノピオ助手達は予め休みを取るという形で一旦逃げたのだった。
・・・まさかとは思うけど。 一応聞いてみるか。
「あの、オヤ・マー博士」
「なんじゃ」
「キノピオ助手達は、休暇を頂きますって言ったんですよね」
「そうじゃが」
「まさかと思うんですが、お暇を頂きますって言ったんじゃないですよね」
「もちろんそうじゃよ」
それを聞いてルイージは少し安心したのだが、
「さすがに一斉に辞められると困るからな。 その点はちゃんと確認しておる」
一時的とはいえ、休暇に逃げて正解だったな、と思ったのだった。