ギィーー・・・

低い音が鳴り響いた。 お城の入口の扉を開けた音だ。

先ほどの門扉とは違い、音に重みがある。

「それにしても、人が住んでないお城とはいえ、何も言わずに入るのもなんだしな・・・」

ドアを開けた状態のまま、ルイージがつぶやく。

そして、「ごめんくださーい。 入りますよー!」と、お城の中の方へ声をかけた。

もちろんこれは、何かあった時に無断で入ったと言われたら「入る時に呼びかけをした」と返す事ができるようにする為でもある。


しかし彼は肝心な事を忘れていた。

ここはオバケが居るとされるお城なのである。

入ると声かけをして入っていったという事は-----

中にいるオバケに、人間が入ってきたという事を知らせてしまうという事でもあるのだ。


「さすが人がいない廃墟の城だな。 暗いや」

懐中電灯を手に持ち、城の中に入っていく。

背後で、扉を開けた時と同様に、ギィーーと音がした。

しかし扉が閉じていく音は、途中で止まってしまった。

「ん? 扉が閉まらない?」

ルイージは扉の方へ戻っていった。 そして扉の取っ手を持ち、途中で止まった扉を閉めた。

バタン!と激しい音がする。

「これでよし、っと。 古い扉で途中で止まってしまうとはいえ、開けたままにしておくのはよくないからな」



『無理するんじゃないぞ。 あくまで新型オバキュームの機能確認じゃからな。

 お城のオバケの対処が無理ならばすぐにでも帰ってきなさい。

 あとオバキュームも懐中電灯もバッテリーは消耗するから長時間滞在しないように。

 但し充電できる環境があれば別じゃが』

-----オヤ・マー博士はそう言っていた。



突然、ルイージの目の前にオバケが現れた。

屋敷のオバケとは全く違った様相だが、オバケだという事が一目瞭然な外見であった。

いつも通り(?)ルイージはストロボをオバケに当てた。

オバケは驚き、一瞬動きが止まった。すかさずオバキュームで吸引しはじめる。

「あらよっと」

そんな感じで、初対面のオバケ(?)をルイージはオバキュームで吸い込んだのだった。

「・・・ごめんな今のオバケくん・・・。 別に悪い事してないのに捕まえて。 新型オバキュームの機能確認のためなんだよ。

 確認ができたらオヤ・マー博士に解放してもらえると思うから、しばらく我慢してくれよ・・・」

かつてオバケを吸い込んで捕獲するときは、襲ってくるオバケへの対処だったのだが、今回は襲って来なかったオバケを捕獲したので、

ルイージは吸い込んだオバケに対して申し訳ない気持ちになった。



実はこの城はドラキュラが住む城で、ドラキュラ城と呼ばれている。

名前通りドラキュラがいるのはもちろんの事、これまでに戦ったオバケとは違ったガチなモンスターがたくさんいる。

ルイージはそれを知らなかった。

いや、単に新型オバキュームの威力試験を依頼したオヤ・マー博士が言わなかっただけだった。

ガチなモンスターがいるなんて言ったら、ルイージは引き受けてくれないのが予想できるからだ。


そんな事を知らずに、ルイージは城の中に入っていく-----


『ケケケ。  さっき警告したのにさ。 今なら引き返せるぞって』

『ま、引き返せと言っても引き返さないのが人間ってヤツだけどな』

『それじゃいっちょ、お望み通りにいきますか』

潜んでいるモンスター達が、そんな会話をしてるのも知る由もなく。


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