突然、ガタン!と音がした。
「何だ!?」
慌ててルイージは音の方を向いた。
そこには-----全身を包帯で巻いたミイラがいた。
ミイラはルイージを見つけると、ゆっくりとした足取りで近づいてきた。
もちろん近づいてきたのは友好的な意味は全くなく、攻撃的なのは一目瞭然だった。
ルイージは、ミイラの顔に向かってストロボを発射した。
しかしミイラはオバケと違い、強い光で一瞬ひるんだだけだった。 体勢を整え、ルイージの方を見る。
「ストロボは効かないのか!」
何度かストロボで強い光を当ててみても、同じ事だった。
ミイラは、さらにルイージの方へ向かってくる。
「そうだ! 以前屋敷の時に、ミイラに変装したオバケがいたなあ」
その時と同じ方法なら、いけるかもしれない、と思ったルイージは、ミイラの包帯の端(はし)の部分を探した。
以前に屋敷探索の時に、包帯をぐるぐる巻きにしてミイラに変装したオバケがいたのだ。
そのオバケは包帯を外せば従来のオバケと同じ方法で捕獲ができたのだったが。
ルイージはすぐにミイラの包帯の端を見つけると、オバキュームの先を近づけ、吸引し始めた。
しかし、オバケが変装した物とは違い、本物のミイラの包帯は、長年巻いてる事によりかなり劣化しているため、
すぐにブチッと音を立ててちぎれてしまった。
「包帯を狙うのも無理か・・・」
しかしこれでどうだ!
ポーン!
そんな音と共に、ラバーカップが飛び出した。 オバキュームの新機能の1つだ。
ラバーカップはミイラの顔面に張り付いた。
しかしそんな物ではミイラは倒せない。 それどころか興奮させてしまったようだ。
ミイラは顔面に張り付いたラバーカップを引っ張って勢いよく外すと、横向きに放り投げた。
そして再度、再度ルイージの方へ歩いて来た。
ルイージの目的は、オバケやモンスター退治ではない。
無理ならば、一旦引き返すのが身のためだ。
彼は一旦ミイラから逃げてみたのだが-----
慌てていたため、ルイージは派手に転倒した。
「いててて・・・」
彼は起き上がり、体制を整え始めた。
「!?」
目の前に、なにやら大きな影のような者が現れた。
それは、黒いローブをまとい、大きな鎌を手に持っていた。
「黒いローブにデカい鎌・・・死神か!?」
それは、デスと呼ばれる死神だった。
デスは鎌を上方に構えた。 ルイージを斬るつもりである。
死神の鎌で斬られるという事は、死を意味する。
「お、おい・・・やめてくれ!」
デスはそんな言葉なんて聞くわけもなく----
次の瞬間鈍い音と、ルイージの悲鳴が辺りに響き渡った。
デスが鎌でルイージを斬りつけたのだ。
音もせずに静かに、ルイージの体から魂が抜け出した。
デスはルイージの魂の頭部を鷲掴みにし、連れ出そうとした。
その時-----
ジャキッ!
そんな音をたて、何かが飛んできた。
飛んできたのは鉄製の鞭だった。 その鞭の先は、デスの方に飛んでいき-----
ドーン!
この衝撃により、デスは手にしているルイージの頭部を手放した。
とっさにルイージは、デスから離れた。 再度掴まれないようにするためだ。
さらにもう一つ、何かが飛んできた。 今度は鞭ではなく十字型のブーメランであった。
-----直後、激しい音がした。
それにより、デスはゆっくりと消滅していった。
鞭やブーメランが飛んできた方向を見ると、大柄な男がいた。
ドラキュラハンターのシモン・ベルモントだ。
「あの、助けていただき、ありが・・・」
ルイージは、シモンに礼を言おうとしたが、彼は何事もなかったかのごとく、城の奥の方へ走っていった。
「なんだろう。 急いでいるのかな。 それとも僕の霊体が見えなかったのか・・・」
そうつぶやきながら、走り去っていくシモンの背中を、ルイージはしばらく見ていたが、やがて姿は見えなくなった。
「行っちゃった・・・。 お礼言えなかったけど、そのうちまた会えるかもしれないな」