「やあ、ご苦労様じゃったな」
場所はオヤ・マー博士のラボ。
あの後ルイージは、そのままオバ犬と一緒にラボへ戻ったのだった。
さっそくオヤ・マー博士は「オバキュームの使い心地はどうだったかね?」と聞いてきた。
「オバケの捕獲は1匹だけなんです」
「おやまあ。 とはいえ、使い心地は従来の物とは違ってたじゃろ?」
「1匹だけじゃ、ピンと来なくて・・・」
「そうかそうか」
「あとそれから、そのオバケは観察が終わったらすぐに逃がしてください。 無抵抗なオバケを捕獲した形なので」
「ほうほう。 ルイージ君は、やさしいのう」
「出発前に、ピンチの時には助けが行くように手配する、って言ってましたよね」
「そうじゃが」
「大柄な男が助けてくれたんですが、あの人の名前は何ですか?」
ルイージは、『ああ、その男はな・・・』という話が返って来るかと思っていたが・・・
「大柄な男? それは知らないぞ。 たまたま居合わせた城の探索者じゃないのか?」
「えっ。 じゃあ、ピンチの時のために手配してくれたというのは・・・」
「今、君が一緒にいるオバ犬じゃぞ」
「オバ犬・・・」
わん! わん! と、オバ犬が返事(?)をした。
「その大柄な男と、また会えたらいいなあ、って考えてるんです。 お礼が言えなかったんで・・・」
「そうかそうか。そういえば、もうすぐスマブラのバトル大会が始まるんじゃなかったかな?
参加ファイターが、いろんな世界の代表者という事もあるから、もしかしたら知り合いがいるかもしれん」
まさかルイージは思っていなかった。
助けてくれた大柄な男が、今回ファイターとして参加するという事を。
その日の夜。
場所はルイージの家。
オバ犬は食事をすませ、床でウトウトしていた。
部屋の隅にあるソファにルイージが座ると、オバ犬は起き上がり、ルイージの方に走っていった。
そしてソファに乗り、頭部をルイージのひざに乗せた。
「よしよし」と言ってルイージはオバ犬の頭をなで始めたが-----
突然オバ犬が頭を上げた。 そしてルイージの方を向く。
「どうしたの?」
ルイージが聞いたが、オバ犬はそれを気に留める事もなく、ルイージの胸部をじっと見つめた。
「え? こんな所には、何もないよ。 どうしたの?」
引き続き、オバ犬は、ルイージの胸部をじっと見つめる。時折、顔を近づけたり匂いをかいだりしていた。
「どうしたんだろう・・・。 何か見えるの?」
オバ犬の様子にルイージは驚いていた。
「何か見えてるのかな・・・。 でも胸の、オバ犬がしきりに気にしている、この辺りは・・・」
胸の、この辺りは・・・
-----死神に斬られた場所だ!
「まさか・・・この斬られた場所が見えるの!?」
オバ犬は、オバケの犬なので、人間には見えない物が見えてるかもしれない。
いや、見えてなかったら、ここまでしきりに気にすることはないだろう。
オバ犬は、ルイージの顔を見つめ、首を縦に振った。
「見えてるんだ・・・」
ルイージはオバ犬の頭を軽くぽんぽんとたたき、「ごめんね心配かけて。 もう大丈夫だからね」と言った。
その言葉を聞いて安心したのか、オバ犬はルイージの膝に頭を置き、眠り始めた。
「僕も寝よう・・・。 このまま」
そう言ってルイージは、オバ犬の背中に手を置いた状態で、眠り始めた。