突然、バタバタと音がした。複数人数の足音のようだ。
「・・・やはり来たか」
マスターハンドがつぶやいた。
「どうしたんですか?」とデレックが聞いた。
「さきほど話した、レギュラー選手と今回初めて参加する選手が、今日来たのかもしれん。
いや、前もって到着しておくのはいいことだ。 少なくとも遅れるよりはな。
ただ、早く来る理由が、単に前もって到着しておくという事ではないらしくて・・・」
バターン!と、激しくドアが開く音がした。
「いっちばーん!」
声と同時に現れたのは、カービィだった。
「こら! ドアが壊れたらどうするんだ!」
クレイジーハンドが怒鳴った。
「はーい・・・」
少々しょげた状態で、カービィが返事をした。
カービィが現れたのを皮切りに、続々とレギュラー選手が部屋に入って来た。
「うわあ・・・。 なんだか夢みたいだ」
タツヤが言った。 彼が言うのも無理もない。
目の前には、世界的なスターがたくさんいるのである。
マリオやリンクはもちろんの事、サムスやヨッシー、ピカチュウやピーチ姫やクッパなど、たくさんいる。
「夢なら覚めないで・・・」
胸の前で両手を組みながらシュリが言った。
「おいおい。 夢ではないぞ」
マスターハンドが言った。
「いや実はな・・・」
クレイジーハンドが話し始めた。
「レギュラー選手たちが、一般参加のMiiファイターがどんなのか早く見たくて、早くこちらの地に来たみたいなんだ。
今回はMiiによる一般参加もあると聞いて、早く見てみたいと彼らは言ってたが、まさかこんなに前もって来る者がいたとはな。
もともとレギュラー選手への説明会の場合、説明会当日に到着しても充分に間に合うぐらいなのだが」
「ええ、そうなんですか・・・」
驚いた様子でデレックが言った。
「あれ。 隠れ選手じゃなかったんですか」
タツヤが驚いて言った。
「え。 誰?」
デレックが聞くと・・・
「あ、それ僕だと思います」
と、ルイージが軽く手を挙げて答えた。
「僕も驚いたんだよ。 これまでは隠れ選手だったからね。」
珍しい物でも見るような感じでMiiファイターを取り囲む、レギュラー選手たち。
そして、大勢の世界的スターを見て、興奮を隠すのがやっとのMiiファイターたち。
傍から見ると、滑稽な光景であった。
「そういえば・・・」
シュリが言った。
「マスターハンドもクレイジーハンドも、世界的に有名な最強ファイターなのにもかかわらず、
今みたいにレギュラー選手とさっき初めて会った時とは違う感覚だったのは、どうしてなのかしら・・・」
----おそらくそれは、誰も答えは出せないだろう。
「盛り上がってるところ、すまんが、」
マスターハンドが言った。
「一旦解散という形にさせてくれ。 このあと、ここの事務所の係員から紙をもらってくるように。
選手寮の場所と設備の説明が書かれてある。 まずは寮で休んでくれ」
はいっ!という一斉の声がした。
ゾロゾロと部屋を出る、スマブラのレギュラー選手たち。
その後に着いて行く形で部屋を出るMiiファイターたち。
「しかしまだ、自分がスマブラに出場するなんて実感がわかないなあ。 レギュラー選手と一緒にいるのに」
タツヤがつぶやくと、マリオが、
「大丈夫だよ。 この後必ず、実感が湧くようになるから」
と言ったのだった・・・
「な。 自分もスマブラの選手だって実感が湧いて来ただろ?」
「なるほど・・・」
マリオの言葉に、タツヤがうなずいた。
今、厳重なセキュリティーに囲まれている要塞のような外装の建物に、入ったところだ。
その建物とは----スマブラ選手がバトルイベント期間中に住む、選手寮である。
選手寮は世界中の人気者が集まるため、隙あらば入ろうとするファンがいるため、セキュリティーが頑丈になっているのだ。
ここでMiiファイターの3人は、今日からバトルイベント期間中の間、スマブラのレギュラー選手(と、のちに追加になる隠れ選手)たちと一緒に暮らすのである。
従来ならこの場所は、立ち入り禁止で入れない場所なのだ。
この場所にいる、という事で、Miiファイターの3人は、改めて自分もスマブラの選手だという実感が湧いたのだった。
もうすぐこの地でバトルがはじまります。
何が起きるかは、わかりません。
それは一般参加のMiiファイターだけでなく、何度も参加しているレギュラー選手も。
<終わり>
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