後日。

場所はA島スカイクラブの事務所。

現在ミサキが働いている所の事務所である。

「あ、副隊長。 戻られたんですね。 おかえりなさい。 休暇おわったんですか?」

事務作業中の部下隊員がミサキに話しかけた。

「ただいま。 休暇はもうちょっとあったんだけど、目的は済んだので、切り上げようと思ってね。」

雨季とはいえ、強引に休みを取ったという事もあり、戻ってきたら隊員番号がなくなっていた、なんて事は避けたいという考えによるものだ。

(ここで言う「戻ってきたら隊員番号がなくなっていた」は、一般的によく言う「戻ってきたら自分の席がなくなっていた」という意味だと思ってください)


「ああミサキくん、戻ってたのか」

背後から声がした。 ミサキの上司の隊長である。

「あ、はい」とミサキは返事をし、深々と頭を下げ、こう言った。

「ただいま戻りました。 休暇ありがとうございます。 雨季とはいえ強引に取って申し訳ございません。 目的は済んだので、いつでも仕事に復帰できます」

「おいおい。 頭あげなさい。」

「はい」と、ミサキは頭をあげた。


「まあその・・・」

少し言いづらそうに隊長が言った。

「ウーフーアイランドで会いたい人には会えたのか?」

「はい、会えました」

「まあ君も若いし、副隊長の立場を顧みず強引に休みを取ってまで会いに行った相手も・・・」

隊長の話をさえぎり、ミサキは苦笑いしながら「会いに行った相手は別に恋愛絡みとかじゃないですよ」と言った。

「そ・・・そうなのか。 まあ何であれシフトの組み直しをするので、休み明けの仕事の勤務体制は後で連絡するから、今日は戻りなさい」

「はい。 今日は戻ります。 お先に失礼します」

軽く礼をしてミサキは寮へ戻っていった。


「副隊長っ♪ 戻られてたんですね」

若手の隊員が声をかけた。

「ただいま。 今日戻ってきたところで、さっき隊長と話してたの」

「休暇を取る目的の、会いたい相手には会えたんですか?」

やはり、同じ質問をされたのだった。

「会えたわよ。 元気そうで何よりだったわ」

ミサキはそれ以上、何も言わなかった。


数日後。

ミサキの休暇明けの出勤の日。

やはり強引に休みを取った事については、他の隊員たちが気にしていたようだ。

大半は、恋愛絡みだと思っていたようだ。

「違ってたんですか?」

「てっきり遠距離恋愛とかで急に会いたくなったとか思ってましたよ」

そんな話を、うんざりするほどミサキは聞かされた。

「やあねえ、もう。 そんなんじゃないわよ」

苦笑いしながらミサキが言った。


「じゃあ・・・会いに行った相手って、どんな方だったんですか?」

そう聞かれたミサキは、笑顔でこう言ったのだった。

「迷子の女の子に会ってきたのよ」



<終わり>


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読んでくださり、ありがとうございます。

久しぶりの長編小説です。



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