「はい、スーパーサザエ5個ね。 次はがんばってね 」
「ありがとう」
フェスの翌日、ミーアはフェスイベントの係員からスーパーサザエを受け取った。
フェスは、ミーアが選んだ側のチームは負けてしまった。
その上、迷子のお兄ちゃん探しで疲れてしまったため、称号『スーパー』で今回の参加をやめたので、サザエ入手が5個になってしまったのだ。
「もらえたサザエは5個だけになったけど・・・。 仕方ないとか思ってないわ。 やはり迷子を放置しておくわけにもいかないし。
無事にお兄ちゃんと再会できたんだから、良しと思わなくちゃね・・・ 」
-----後日。 場所はモンガラキャンプ場。
ここは昼間はナワバリバトルのステージなのだが、夜間はフェス期間を除いて、普通のキャンプ場となっている。
たくさんのテントが並ぶ中、そのうちの1つにミーアはいた。
テントの中、ランタンの小さな明かりを囲む形で、ミーアと、友達のイカガール数名が座っていた。
最初は他愛もない話で盛り上がっていたのだが、やがてこんな話になった。
「ねえ、ハイカラシティで幽霊が出た話、知ってる?」
「幽霊?」と、ミーアが聞いた。
「そう、幽霊」
聞いた事ないわね、とミーアが言おうとした時だった。
「幼体の女の子の幽霊が、少し前に出たんだって。 見た人と見てない人といるけど、やはり霊感があるとか時間帯によるものかなあ・・・」
-----えっ?
幼体の女の子の幽霊? まさかねえ。
「その幼体の女の子の名前わかる?」
「いや、わからないわ。 私も怪談話や噂話で聞いた話だし」
「・・・だよねえ」
「ねえねえ。 その幽霊の話、詳しく聞かせてもらえる?」
「いいけど・・・」
話をしていたイカガールは、キャンプの夜の怪談話として幼体の幽霊の話をしていたのだったが、
ミーアに意外な食い付き方をされて驚いてたものの、やがて話を始めた。
その幼体の幽霊の女の子は、1人でフラフラしていた。
まだ人型になってないので、ナワバリバトルなどが目的ではない。
道行く人に、声をかけていた。 「お兄ちゃんどこにいるの?」と。
-----えっ!? お兄ちゃんどこ、って?
ミーアは驚いた。
しかし、彼女はこの時、さらに驚く話を聞くとは思いもよらなかった。
「こないだのフェスが終わったぐらいの日から、その幼体の幽霊を見かけたって人がいないんだって」
「もしかしたら成仏したのかしら」
「探していたお兄ちゃんが見つかったんじゃない?」
-----もしかしたら・・・。 その話って・・・。
-----ソフィアの事かもしれないわ。
でも、言えなかった。
いや、言っても信じてはもらえないだろう。
深夜。
テントの中の、ミーア以外のイカガールは眠っていた。
ミーアは眠れないのだ。
無理もない。 まさか先日の迷子が幽霊だったとは思ってもいなかったのだから。
「・・・」
いや、幽霊でもそうじゃなくても、迷子本人が探している者と会わせたという行動自体は間違ってはいない。
「・・・考えてても仕方ないわ。 ソフィアはお兄ちゃんと再会できたんだからね・・・」
やがてミーアは眠りについた。
その夜ミーアは夢を見た。
場所はハイカラシティの、ナワバリバトルの待合場所ロビー。
他の参加者の名前が表示されるのを、彼女は待っていた。
やがて参加者の名前が表示された。
参加者の名前がズラッと並ぶ中、エリックとソフィアの名前があった。
「ソフィア・・・。 でも同名かもしれないわ。 エリックも・・・」と思っていたその時だった。
「あの時のお姉ちゃんだよね!」と話しかけられたのだ。
「え?」
「わたし、ソフィアよ!」
「・・・??」
しかしそのソフィアは、幼体ではなく人型であった。
「お兄ちゃんも一緒なの! ほら、参加者の名前にエリックってあるでしょ」
「え・・・。 う・・・うん・・・」
驚くミーアをよそに、チーム分けが始まった。
「見て! お兄ちゃんが敵チームよ。 負けないわよー!」
わかばシューターを手に、ソフィアが張り切っていた。
やがてミーアも「ええ! 行きましょう!」と、ブキを手にした。
夢の世界で、ナワバリバトルが始まる。
兄と一緒にナワバリバトルがしたいというソフィアの願いと、同じく妹と一緒にナワバリバトルがしたいというエリックの願いを乗せて。
そしてミーアもいるのは、兄と再会させてもらったミーアに見てもらいたかったというソフィアの気持ちもあったのだろう。
LADY・・・GO!
バトル参加者は一斉にスタート地点を飛び出した。
<終わり>
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