そして今-----


かつて剣術大会で剣を交えた2人、デレックとコンラッドが、ここにいる。

デレック側は、まさかあの時の対戦相手と再会するとは思っていなかった。

ましてや現在は、お互い『前回のスマブラのMiiファイター剣士』と『次のスマブラのMiiファイター剣士』という立場なのである。


「-----話を聞いてたら、俺に再度会ってみたいという気持ちにより、Miiファイターを目指していたみたいだけど」

デレックが聞いた。

「再度会ってみたいという気持ちは、その通りなんですが」

コンラッドが答えた。

「まさか、再戦したいとか・・・?」

デレックの問いに、コンラッドは慌てて「え、いや、違いますよ!」と否定をした、


「再戦しても、俺が負けるのは目に見えてるじゃないですか・・・」

コンラッドは苦笑した。


「おいおい。あの△△の剣術大会から結構経ってるし、第一、現在の状況が変わってるじゃないか?

 今、お前は次のスマブラのMiiファイター剣士なんだろ?」

いまいちコンラッドが言いたい事が掴めないデレックだったが-----


「状況は変わってますが、俺の気持ちは変わってません」

「・・・どういう事だ・・・?」


「デレックさん、さっき言いましたよね。あの対戦の時に一撃で倒して勝ったのは、相手が弱かったからだ、って」

「・・・ああ。言ったよ。まさかその時の相手が目の前にいるヤツだとは思わなかったんでね」

「それもありますけど」

「?」

「真相はご存知ですよね?俺が一撃で倒れてしまった理由が」

「-----!」


話を聞いていた、というか、どうしても聞いてしまう状況で聞いていた者のひとり、タツヤがこう聞いた。

「もしかして体調を崩してた?大会がその日しかないから、体調良くないまま出場したというのはよくある事だけど」

当然の事ながら、彼は真相は知らない。


「いや実はな・・・。あの時俺が結果的に勝ったのはな・・・」

デレックが説明しようとしたが、途中でコンラッドが強制的に続けたのだった。

「デレックさんの攻撃で転倒して頭打って、気を失ったんです。それで起き上がれなくて、俺が負けたんですよ」


「あー!さっき言ってた、『対戦中だったのに気が付いたら医務室にいた』って話は!」

かなり大きな声でタツヤが言うと、コンラッドは少し照れながら「そういう事だったんです」と言った。


「へえ・・・。戦いによるものじゃなくて、アクシデントによって、結果的に勝敗が決まってしまったのね・・・」

そう言ったのは、シュリだった。


「だから・・・」と、コンラッドが切り出し、話をつづけた。

「俺は、確かにデレックさんと戦って負けましたけど。

 ただ、それは、戦いによるものではなく、転倒して頭を打った事によるアクシデントによる結果だったんです。

 その真相を知ってからもデレックさんは、△△の剣術大会で相手を一撃で倒したのは相手が弱かったからだ、と言ってたようですが」

デレックは少々ムッとしながら「相手が弱かったって謙遜で言う事もあるだろ」と言った。


「俺・・・。それをバネに、スマブラのMiiファイターを目指したんですよ。

 戦いが直接的な原因ではなく、転倒で頭を打って倒れたのアクシデントが原因で負けたのを弱い呼ばわりされてたのが不本意でね」


-----少し沈黙があった。

それを破ったのはデレックだったが----

「・・・俺も不本意な事があったんだよ。その転倒して気を失ったのを知らないヤツから、相手を一撃で倒したんだと、化け物扱いされてたんでね」

「俺にとってはデレックさんは、化け物ですよ。色々と、きっかけを頂いたし」

「やれやれ。本人からも化け物扱いか・・・。もう化け物扱いされ続けても、仕方ないのかもしれないな、俺は・・・」


少し間を置き、コンラッドがこう言った。

「俺は、△△の剣術大会で、対戦相手がデレックさんだったという巡り合せを-----神に感謝しています。

 違う人が対戦相手だったら、こんな所に俺はいませんから」


「そ、そうか・・・」

デレックは、ただ驚くだけだった。




人との巡り合せとは、誰にも想像がつかないものだ。

それが良い意味でも悪い意味でも。

彼らは最初は悪い巡り合わせだという考えであっても、その後は変わるものである。

今日、スマブラバトルイベント運営事務所横の会議室で、かつてのMiiファイター3人と次のMiiファイター3人とマスターハンドの合計7人がいるのだが、

2人の剣士以外の者も、のちには彼ら以上の奇妙な巡り合せに遭遇するかもしれない。

もちろんそれは、誰にも予想ができないのである-------


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