「さあ、お前たちが望んでいる“謎のMii軍団”の正体を知ったところで・・・」
マスターハンドがMiiファイター達に選手寮に帰るよう促そうとした、その時-----
「待って!まだ聞きたい事があるの!」
ミセラが大声で言った。
「何だ?」
「“謎のMii軍団”は、百人組み手では、たいていは強攻撃で吹っ飛ばせるけど、情け無用組み手は本当に強いわよね?
恥ずかしながら、情け無用組み手では、2人しか吹っ飛ばせなかったけど・・・」
「ああ、それはね・・・。コレが私達の強さの調整しているの」
と、“ミセラ顔の謎のMii”は、自分が着ている黒いスーツを指さした。
「・・・この黒いスーツがそうなんだ・・・」
「そうなの。百人組み手の場合は、あまり反撃出来ないうえに、簡単に吹っ飛ばされるように力が制御されるのよ。
逆に情け無用組み手の場合、全く制御されない、そのままの力なの」
「ええ・・・そうなのか・・・。でも、情け無用組み手の“謎のMii軍団”って、めちゃくちゃ強くないか?」
そう言ったのはコンラッドだった。
「それは多分・・・力の制御が かかってない状態で、複数の者が同時にかかってくるからだと思うんだ」
“イサム顔の謎のMii”が言った。
「さあ、こんな所で長居せず、選手寮に戻りなさい」
マスターハンドのその言葉に、Miiファイター達はは素直に「はーい・・・」と言った。
「あとそれから・・・ここで見た事は口外しないように。
これはスマブラバトルイベントでの、関係者以外知ってはいけない、いわゆる『企業秘密』ではあるからな」
「あ。待って」とミセラが言った。
「どうした?」
「私達が謎のMii軍団の正体を調べようとしたきっかけがあるの。
もちろん、その人のせいにする気は全くないんだけど・・・」
「何だ?他のファイターから、なんか話聞いたのか?」
「過去に選手寮の地下に、“謎のMii軍団”の前身の“謎のザコ的軍団”を製造調整する工場があったって聞いたの・・・」
「ふむ。もしかしたら現在の“謎のMii軍団も”そうじゃないかと思った、と。
確かに前々々回、つまりゲームキューブの世界の時に、そういう工場があったが」
「本当にあったのね!」
「ああ。でも、その当時はファイターが25人と今と比べて規模は小さかったから、
選手寮とバトルステージは隣接している形で、それらの地下に、工場を置いてたんだ。」
「今は違う場所なのね」
「違う場所も何も・・・。“謎のMii軍団”の正体が居る場所にお前たちが今いるだろう」
「た・・・確かに!・・・それに生身のMiiだったら工場なんて要らないわね!」
「そういう事だ」
「オレ達はバトルに登場するけど、バトルステージの組み立てや調整、
スケジュールや進行を管理する、バトルイベントのスタッフと同じなんだよ」
“イサム顔の謎のMii”が言った。
「スタッフと同じなんだ・・・」
「それにしても・・・。“謎のMii軍団”って別に謎の存在じゃないような気がするけど・・・。
もちろん正体を知ったからというわけじゃないけど」
ミセラが言うと、
「しかし、そのままの“黒づくめのMii集団”ってのも妙じゃないか?」
と、マスターハンドが返した。
「確かにそうだけど・・・」
「正体を表向きにしないから、名前に“謎の”って着けたんだ。その方が不気味さも出てくるんでな」
「ああ!“謎のMii軍団”が不気味な感じがするのは、そのためなのね!」
ふと、コンラッドが疑問に思った。
「先代のforのMiiファイター達は、同じ疑問を持たなかったのかな?」
しかしその答えは意外なものだった。
「もちろん同じ疑問は持ってたぞ。バトルイベント運営事務所に直接聞きに来たんだ」
「正体を探ろうとせずに、直接聞きに行ったんだ。意外・・・」
「初のイレギュラーファイターという事もあって、目立つ行動をとりたくなかったのかもしれんけどな。
お前たちと同様に『同じMii種族なのに“謎の存在”なのは釈然としない』とも言ってたな」
「やはり同じ考えなんだ・・・」