その日の夜。
新Miiファイター達は、バトルイベント期間中に住むことになる選手寮に向かっていた。
選手寮の入口前には、彼らを待っている人がいた。
それはマリオだった。
「待ってたよ。ようこそスマブラ選手寮へ」
彼はそう言った。
選手寮、と言うには、かなり大きな設備だった。
今回のSwitchの世界のスマブラは、過去に登場したファイターは全員参戦、という事で、人数にして70人を超えているのだ。
(正確にはMiiファイター3人含んで74人 / DLCは含まない)
選手寮は、要塞のように頑丈で、施錠もキッチリしている、厳重な設備であった。
「驚いた?スマブラは世界中の人気者が集うイベントだからね。だから選手寮は厳重なんだ。隙あらば侵入しようとする変な奴がいるからね」
マリオのその言葉に、新Miiファイターの3人は、ただただ驚くばかりであった。
「今日からバトルイベント期間中は、この寮で生活するんだよ」
「もう、すごいとしか言いようがないですね・・・」
驚きながらコンラッドが言った。
「どう?スマブラの選手になったという実感湧いただろう?」
あらためて言ったマリオの話に、
「実はまだ実感がわかなくて。夢みたいで・・・」
と、イサムは答えたのだった・・・
スマブラのバトルイベントは、すぐに始まるわけではない。
この数日後に、今度のファイターを紹介する『お披露目会』が行われ、その翌日からバトルイベントが開始されるのだ。
お披露目会は、最初から登場するファイターとMiiファイターしか参加しない。
条件を満たして参戦する『隠れ選手』は参加しないのだ。
そのため、毎回参戦しているレギュラー選手は、現在はこのスマブラバトルイベントが開催される地には、まだ来ていない者も多い。
お披露目会までに、この地に来ればいいのだ。
「なんだか、まだ実感が湧かないわね。スマブラの選手になった事を・・・」
そう言ったのはミセラだった。
「大丈夫。かつてのMiiファイターも最初は同じ事言ってたし、すぐ実感が湧くよ。・・・他のメンバーとバトルしたらね」
マリオのその言葉に、イサムが「なるほど・・・確かにそうだよな・・・」と苦笑いした。
「よぉ!マリオ、ひさしぶりだな」
背後からそんな声がしたので振り向くと、そこにはフォックスがいた。
「おー、ひさしぶりだなフォックス」
「またみんなで乱闘だな!」
「おう!」
マリオとフォックスは、お互い高めに手を挙げると、がしっと手を組んだ。
しばらくして手を放すと、マリオの横にいる3人に目をやった。
「この3人は今回のMiiファイターなのか?」
「そうだよ」
「前回(3DS/WiiU)とは違うヤツなんだ!?」
フォックスは驚いた。
「そうだよ。別人なのは確認済みだ」
(※当サイトのスマブラ小説は、マリオとDr.マリオは同一人物の設定です)
マリオがそう答えると、フォックスは、
「確認済み・・・?ああ、そうか。検査は済んでるのか。・・・そうかそうか。よろしくな」
と言い、3人の肩をポンポンと順に軽くたたき、
「それじゃ、俺は先に自分の部屋に入るぜ。じゃな」
と言って、寮の奥へと歩いて行った。
「俺達も、寮に入ろう」
マリオがそう言った直後、上空からキラキラと流れ星のような音がした。
「何だ!?」
慌てて音の方向を見ると-----そこには大きな星に乗ったピンク玉がいた。カービィである。
「ワープスターに乗って来たのか」
やがてワープスターに乗ったカービィは、マリオ達の真横へ、急降下した。
ドーン!
小規模な爆発が起き、カービィは、そのはずみで吹っ飛んだかと思うと、その勢いを使って素早く着地した。
「やあ!マリオ久しぶりー!」
元気な声でカービィは挨拶をしたのだが-----
カービィの周辺は、マリオを含む4人が倒れていた。
先程の衝撃で転倒してしまったのだ。
起き上がりながらマリオが言った。
「あのさあカービィ・・・。俺1人なら、そういう着地でも構わんのだが」
「他にもいたのー?」
あくまで脳天気な様子だったカービィだったが・・・
「見ろよ地面を」
「えっ・・・」
カービィが改めて地面を見ると-----そこには3人のMiiが倒れていた。
「やあ初めまして!僕はスマブラのファイターの1人のカービィだよ!」
その『倒れている3人のMii』に、カービィは挨拶した。
「や・・・やあ・・・。初めまして」
「よろしくね。それにしても衝撃的な初対面ねえ・・・」
「痛ててて・・・。よろしくね」
『倒れている3人のMii』は、起き上がりながら挨拶を返した。
「ねえねえ!この3人が、今回のMiiファイターなの!?」
少々興奮気味でカービィが聞いた。
「そうだよ」とマリオが返事した。
「しかし、衝撃的な初対面だよなあ・・・」
腕を組みながら、苦笑いしているマリオだったが-----まさかこのハプニング(?)が、功を奏したようだった。
「確かに衝撃的な初対面だけど・・・。これでスマブラの選手になった実感がわきましたよ」
と、コンラッドが言った。
「オレもだ。普段はカービィのワープスター落下とか、直(じか)に体験できないもんな」
同様にイサムが言った。
「私もスマブラの選手になったという実感がわいたわ!でも、本当に意外なきっかけだったわね・・・」
驚きながらミセラが言った。
「そ・・・そうか。実感がわいたか。それは何よりだな・・・」
苦笑いした状態まま、マリオが言った。
カービィは、「じゃ、僕は先に寮に入ってるねー!」と、再度ワープスターに乗って寮に入っていこうとした。
「待てカービィ!ワープスターに乗ったまま選手寮に入るな!駐車場に置いとけよ!」
そんなカービィをマリオが追いかけた。
直後カービィはUターンをし、そのまま選手寮の建物の脇へ入っていった。そこに選手寮の駐車場があるのだ。
カービィが駐車場に行ったのを確認すると、マリオは小走りで戻ってきた。
「選手寮に駐車場ってあるんだ・・・」
驚きながらイサムが言った。
「ああ、あるよ。駐車場と言っても、いろんな乗り物が止めてあるんだ。
フォックスのアーウィンとか、キャプテン・ファルコンのレースマシンとか、ワリオの大型バイクとか」
「ああ、確かにバトル前や途中で、乗り物に乗ったファイターとかいたわね。普段は駐車場に置いてるんだ」
ミセラが関心しながら言ったが、直後、「いや、乗り物を駐車場に置くのって普通よねえ。なに関心してるのかしら私・・・」と、つぶやいたのだった。
「さあ、今度こそ寮に入ろう」
4人はマリオを先頭に、Miiファイター達も一緒に、無事に選手寮に入る事ができたのだった。
選手寮は外装が要塞のようだったが、内部は普通のマンションのようだった。
「意外と内部は普通なんですね」と、コンラッドが言った。
「厳重なのは外装だけだよ。あくまで侵入防止のためにね」
選手寮の入口に入ってすぐ、「さあ、俺の案内はここまでだ」とマリオが言った。
「えっ。帰っちゃうの?」とイサムが言うと、マリオは「いや、帰らないよ。今日から俺も、選手寮で生活するんだ」と言った。
「毎回スマブラのバトルイベントの規模は大きくなっていくからね。俺も正直、今回の設備でわからない部分も多いんだ。
だから今夜は早めに寝て、明日改めて選手や従業員用の設備を見て回ろうと思ってね」
マリオはそう説明した後、「じゃ、俺は先に自分の部屋で寝る事にするから。おやすみ、3人とも」と言った。
「おやすみなさーい」と、3人は声を揃えて返したのだった。
「興奮して眠れなさそう・・・」
なんてミセラが言っていたが、そんな心配は無用だった。
選手寮のシャワー室から出てきた彼女は、ドライヤーで髪を乾かすと、自分の部屋に戻った瞬間、爆睡してしまったのだ。
それはコンラッドもイサムも同じで、とくにイサムは部屋の床で眠ってしまった事もあり、まるで行き倒れのようだった。
ついにやって来た、スマブラバトルイベントが開催される地へ!
バトルイベント開始日まで、まだ少し日がありますが、すぐにその日がやってくるでしょう。
夜も更けてきました。それでは、バトルイベント開催の日まで、おやすみなさい・・・