「タカに手紙を奪うように調教した者も捕まったが、とんでもない事を計画していたようだ」
マスターハンドが説明を始めた。
その計画とは、優勝者が決定して手紙を上にかざしたところに、タカが奪って行く。
奪われた側、つまり優勝者は、手紙を取り返すべく、タカを追いかけていく。
タカを追いかけて、闘技場を出たところを、とっ捕まえる。
「とっ捕まえるって・・・捕まえてどうする気なんだろう?」
コンラッドが疑問に思った。
「その後、捕まえた者とすり替わって手紙を手に戻ってくる・・・という計画だったようだ」
「えっ。待って。すり替わってって、まさか・・・」
ミセラが驚きながら聞いた。
「そう。その犯人もMii種族だったんだ。追いかけて来た者の顔にして戻るつもりだったと」
「タカには手紙を上に掲げた3人のうち、武器を携帯していない者から奪うよう、調教をしていて、
タカを追って来た者とすり替わり、そのままMiiファイター格闘としてスマブラに参戦するつもりだったらしい」
しかし犯人は計算ミスをした。タカが手紙を奪う際にイサムが転倒したのだ。
イサムが転倒した状態のまま、手紙を奪い、タカは飛び去っていった。
これにより、成り代わり計画は失敗し、手紙を奪うだけとなった。
「いやこれ、計画の時点でダメじゃないの?」
そう言ったのはリンクだった。
「いくら格闘者でも、大振りな鳥に襲われたら、普通はひとたまりもないぞ!」
リンクは幾度となくニワトリに襲われた事があるのだ。ニワトリでも、襲われたらかなりの脅威なのである。
「・・・だよな」と、マスターハンドは苦笑した。
「・・・まあ、顔を変えられる特徴上、すり替わりを企ててる奴らもいる、という事は、気に留めておいた方がいいぞ」
そう言ったのはマリオだった。
「前回のforの時も、大規模なすり替わり計画があったぐらいだからな」
それはforと呼ばれる前回のスマブラでの事。
大勢のMii種族により、Miiファイターを拉致し、同じ顔して成り済ます計画があった。
「この件が発覚したときは、計画していた大勢のMii達は身柄を拘束されたんだ。
とはいえこの件は、スマブラに参戦したいMiiは、たくさんいるにもかかわらず、
3人だけだという事によるかもしないけどな」
「とはいえ、参戦希望者が大勢いるけど実際に参戦できるのはほんの数名というのは、
オリンピックなどの大規模なスポーツ大会では普通によくある事だからな」
そう言ったのはマスターハンドだった。
「もし同じ顔をしたMiiによる成り済ましやすり替わりがあってもすぐにわかるように、本人確認検査があるんだよ」
本人確認検査とは、不定期的にMiiファイター達の血液などの体液や髪の毛などの体毛を採取し、同一人物か検査するのだ。
人間で言うDNA鑑定のようなものである。
「ところで話は戻るが」
マスターハンドが切り出した。
「イサムとすり替わろうとした計画には、タカが手紙を奪っただけの結果になった以外にも、
もうひとつ大きな穴があったんだ」
仮に、うまくいってイサムに成り済ましてMiiファイターとして参戦できたとしても、
バトルイベント期間中は選手寮に住む事になるので、
入居するにあたっての書類を書かなければならない。
そこで本物のイサムの住所や電話番号と違う物記入したり、書くのに迷ったりすれば、
即座に成り済ましの偽物だという事が発覚するのだ。
「本物の住所などは、最初に募集したときに送られて来る参加希望書類に書かれているからな」