2人目にカウンタ22222を踏んだユーさんのリクエストです。

ナナ視点の小説です。珍しいかも?

タイトルは『花盗人(はなぬすびと)』です。

季節外れな話で申し訳ない・・・(汗)


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ここはスマデラの選手たちがバトルイベント期間中に寝泊りする施設、『スマデラ選手寮』。

ある、バトルがオフ(休み)の日のことだった。

選手たちは、選手寮の庭に花の種を埋めていた。

種を埋め、肥料を撒き、水をかけ終わり、『花植え作業』が終わると、

咲く時期が楽しみだな、という話になった。

何の花を植えたのかというと---秋桜(コスモス)であった。


「まだ見てる・・・」

花植え作業が終わってメンバーみんながお茶をしているのだが、

1人だけ植えた場所を見ている者がいた。

スマデラメンバーの1人、ナナである。

「ナナぁ。見ても今すぐ芽がでるわけじゃないし。こっちに来てお茶にしようよぉ」

ナナの相棒、ポポが言った。

「だって、楽しみなんだもん♪」

ナナは楽しそうに種を植えた場所を見ていた。

「じっと見てたってしょうがないのにな」

フォックスが言った。


コスモスは順調に育っていった。

メンバーで交代でコスモスに水をやったり肥料をやったり、雑草を抜いたりと、

いろいろ世話をしていた。

しかし、たくさん植えていると、よく育つ物や、あまり育たない物が出てきたりする。

これは個体差で、人間同様、大きい者や小さい者がいるのと同じことである。

中に1本、他のと比べ、半分も育ってない物があった。

「がんばってねぇ!私が応援してるわ!すぐに他のに追いつくわよ!」

その小さなコスモスの苗に、ナナが声をかけたのだった。

ナナは次の日も次の日も、その苗に声をかけた。

きっと他と同じように成長するわよね・・・


毎日毎日ナナは小さなコスモスの苗に声をかけた。

すっかりその苗が気に入った彼女は、その小さな苗に密かに『ナナの花』と名前をつけていた。

「おはようナナの花!」と、ナナは毎朝声をかけるのが習慣となっていた。


そんなナナの状況を、慎重な面持ちで見てた者がいた。

「本当のことを言った方がいいかなあ・・・」

はあ・・・・

ため息をつきながら、分厚い本を片手に彼はつぶやいた。

「しかしナナは、あの苗が気に入ってるんだ・・・。本当の事を言ったら悲しむだろうな。

 悲しむ、とまでいかなくても、信じないだろうな・・・」


その数日後の朝。

「・・・・・!!」

毎日の習慣で、いつもどおり『ナナの花』を朝に見に来たナナだったが---

「あ・・・ない・・・」

という言葉と共に、うわーっ!!と泣き出した。

「ナナの花が・・・ナナの花が・・・・」

なんと、『ナナの花』だけが引き抜かれていたのだ。

「ひどい事する人がいるのねえ・・・」

ゼルダがつぶやいた。

『ナナの花』は、昨夜メンバーが寝る前には確かに庭にあったのだ。

『ナナの花』は、ナナが気に入ってる苗である。メンバー全員が、それを知っていた。

いったい誰が、何のために盗ったのか、何が目的か、と、あれこれ話し合うメンバーたちだが、

最終的には、「しかし、小さな苗を盗って、なんになるんだろ・・・?」という言葉しか出せななかった・・・


やがて秋になった。コスモスの開花盛期である。

選手寮の庭のコスモスが、一斉に咲いた。

「綺麗ねえ・・・」

サムスがコスモスの花に顔を近づけて言った。

「コスモスの花言葉は乙女の真心・・・まるで私のようだわ」

ピーチがそう言うと、背後で笑い声がした。

その直後、ゴーンとフライパンで殴る音がしたのはいうまでもない(?)。

たくさん咲いているコスモスに喜んでいるメンバーたちだが、ただ1人、沈んでいる者がいた。

言うまでもなくナナである。

「・・・・」


「ナナ、すまん!」

その言葉にメンバー全員がその声の主の方に注目をした。

「その・・・『ナナの花』を引き抜いたのは僕なんだよ!」

声の主はルイージだった。

「ほ・・・本当か!?」

信じられない、といった表情で、マリオが詰め寄ってルイージに聞いた。

「本当だよ・・・」

「ひどいわ!あれはナナが気に入ってた苗なのに!」

ピーチが言った。

それを皮切りに、メンバーたちがルイージを非難した。

「・・・あ・・・いや、その・・・意地悪で抜いたわけじゃないんだ・・・」

説明を始めようとするルイージだが、それを押し切るようにメンバーたちは

「じゃあどうしてナナが気に入ってる苗だけ抜いたんだよ?」

と、詰め寄り、非難しつづけた。

「・・・非難は受ける。・・・ただ、説明はさせてくれ。『ナナの花』だけ抜いたのは意味があるんだよ・・・」

「理由ってなんだ?」

「あまり知られてないけど、花の種には かなり低い確率だが 水・肥料・日光を適量に与えても全く発芽しないものや、

 発芽しても途中で成長が止まってそのまま大きくならずに花も咲かずに枯れてしまう物があるんだ」

「・・・?」

「あの『ナナの花』は、まさにその状態だったんだよ。成長が大幅に遅れてるように見えるけど、

 実は成長が止まってあれ以上大きくならないんだ。でもあれを気に入っているナナには言いづらくて」

「・・・・」

「いろいろ調べてみたけど、成長が止まった植物を再び成長させる方法が見つからなくて・・・」

「だから破棄したのか?」

「いや、抜いたのは確かだ。でも破棄はしてないよ」

そう言うとルイージは、自分の部屋に戻り、すぐにみんなの所に戻ってきた。

その手には、植木鉢に移し替えた『ナナの花』があった。

ただし、抜かれた時と全く変わってない姿ではあったが。

「植木鉢に植え替え、日の当たりやすい所に置き、水を時々与え、

 肥料も庭に植えてるものより若干多めに与えたんだけど・・・やはり、止まった成長のままだったよ・・・」

成長が止まったままの『ナナの花』を見た他のメンバーは、どうしたらいいのか わからなかった。

とととと・・・といった感じでナナがルイージのところに歩いてきた。

ルイージはナナに『ナナの花』を手渡した。

ナナは無言で『ナナの花』を受け取ると、庭に歩いていった。

そして、他のコスモスの花が植わっている場所に植え替えた。

その植え替えた場所は、かつて『ナナの花』が植わっていた場所だった。

つまり、もとの場所に植え替えた、という事だが・・・・


やがて秋は深まり、冬が近いのを肌で感じる気候になった。

コスモスの花の時期は既に終わり、種を地面に落とす時期も過ぎた。

庭に植えているコスモスの花は、ほとんどが枯れてしまっていた。花の『枯死時期』である。

「そろそろ庭のコスモスを抜いてしまおうかしらねえ・・・」

ピーチが言った。


「よーいしょっと・・・ずいぶん根が深い花だなあ」

「落ちてる種は、埋めたら来年また咲くわよ」

「花の命って短いねえ・・・春に植えて、秋に咲いて冬に枯れるんだから」

「ところで、これどうしようか?」

植えてあるコスモスのひとつを指してマリオが言った。

これ、というのは、言うまでもなく『ナナの花』である。

成長が止まったままの『ナナの花』は、他のコスモスと違い、成長が止まったままの状態なので、

枯れていなく、青々としていた。

「・・・・」

「・・・・」

「・・・・」

みんな どうしようか迷っていた。


ぼこっ・・・

ひとり、『ナナの花』を抜いた者がいた。ナナだった。

気に入ってた苗を、ナナは自らの手で抜いたのだ。

「抜いちゃっていいのか?」

聞いたのはルイージだった。

「いいのよ」

ナナはそう答え、他の抜いたコスモスの束のところに『ナナの花』を置いたのだった。

「他のコスモスと同様、破棄するんだぞ。いいのか?」

「いいってば」

サムスは そのナナの言葉を聞くと、「じゃあ、持って行くわよ」と抜いたコスモスを手押し車に乗せ、

選手寮の外に運び出した。


その日の夕方。ナナは庭のコスモス畑、正確には“もとコスモス畑”をじっと見ていた。

「・・・やっぱり捨てなかった方がよかったかなあ・・・」

その様子を他のメンバー達はじっと見ていた。

ナナの横にルイージが座った。しかし彼も無言だった。

「ねえ、ルイージ」

ナナが言った。

「・・・・ん。」

「もしかして、あの『ナナの花』を捨てずに植えたままにした方がよかったかな、って思ってるでしょ」

「多少な・・・」

「やあねえ。植えたままにする方が、余計にかわいそうよ。だって、寒さに弱い植物なんでしょ」

「確かにコスモスは寒さに弱い植物ではあるけど」

「だからよ。植えたままにしたら、寒さで枯れるでしょ。どちらにしろ枯れる運命じゃない・・・」

「・・・」

「さ、もう『ナナの花』の話は ここまでにしましょ。今更ごちゃごちゃ言っても仕方ないわよ」

「あ・・・うん・・・そ・・・そうだね」

「明日のバトルは、第一試合は“ルイージ VS アイスクライマー”よね。バトルお互いがんばりましょ!」

「おう!」


「元気になってよかった・・・・」

離れて見ていた他のメンバーが そう思った。


<おわり>

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ここまで読んでくださってありがとうございます。

22222の2人目のキリリクが完成しました。

あ。2が揃ってる(爆)


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