マリラブさんのHPの、イラストリクエストのお礼で作った小説です。

テーマ(リクエスト)は「マリオさんで出会いと別れ」です。

タイトルは『再会』です。


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むかしむかしのお話です。

夜明け前の空を、コウノトリが双子の赤ん坊が入った包みをくわえて、

その子達の両親のところに向かって、急いで飛んでいました。


『今日運ばれる双子は、将来カメ族に災いをもたらす者じゃ。

 そいつを運ぶコウノトリから赤ん坊を奪い、

 生まれなかった事にしないと、カメ族は大変な事になる』

そんな予言がカメ族でされていた事は、双子を運んでいるコウノトリは知らなかった。


「夜が明けるまで、この子達を運ばないと・・・」

そうつぶやくコウノトリに、思いもがけない事が起きた。

正面からホウキに乗った魔法使いが現れたのである。

その魔法使いは、すごい速度でコウノトリに接近し----

「その赤ちゃん、いただくぜーっ!!」

その言葉と共に、双子の赤ちゃんを奪った---と思いきや、

奪った際に双子のうちの1人を落としてしまったので、

魔法使いが奪ったのは1人だけだった。



場所は変わって、ヨッシーアイランドという小さな島。

たくさんのヨッシーが住んでいる所です。


ぼーん☆

早朝の散歩をしていた1匹のヨッシーの背中に何かが落ちてきた。

「な・・・何!?」

驚いて落ちてきた物をヨッシーは観察をした。

それは真っ白な風呂敷包みだった。

がさがさがさっ・・・

中で何かが動いている。

「・・・?」

がさがさっ・・・・ばさっ!

風呂敷包みの隙間から勢いよく、赤い帽子をかぶった赤ちゃんの顔が飛び出した。

「ばぶー」

「・・・何?・・・人間の赤ちゃん?」

カメ族の城では大騒ぎになっていた。

さきほどコウノトリを襲った魔法使いが、奪ったのは2人のうち片方だけだったのを

城に着いてから気がついたのである。

「手下たちよ、もう1人の赤ちゃんを探してここに連れてきなさ〜い!」




「空から落ちてきたって・・・どうするんだよ、この子」

「放って置くわけにも いかないだろう」

先ほどのヨッシーが、仲間のヨッシーと一緒に、空から落ちてきた赤ん坊をどうするか

話し合っている。

ヨッシーは恐竜である。人間の子供を育てるのは無理だ。

なので、赤ん坊を連れて行くべき場所に連れて行かなければならないのだが・・・


「ばぶー」

赤い帽子をかぶった赤ん坊は、しきりにある方向を指差している。

「ん?この方向?この方向に何かあるのかな?」

しかし赤ん坊は答えない(というか、答えられない)。

答えない代わりに、ずっと同じ方向を指差していた。

「どうやら この方向に何かあるようだな」

ヨッシー達は、指差されている方向に赤ん坊を連れて行くという結論を出した。


ヨッシー達は交代で赤ん坊を背中に乗せて連れてく事にした。

交代にするのは意味がある。赤ん坊の休憩も兼ねているのである。

さすがに長時間揺られると酔ってしまうのだ。


「んー・・・」

最初の1匹が背中に乗せる赤ん坊の姿勢をどうしようか悩んでいた。

というのも、赤ん坊は身体が小さいので、馬に乗るような姿勢で乗せるのは無理があるのだ。

ヨッシーの尻尾はとがっている。なので細い部分を握らせるような感じで赤ん坊を

乗せるような形で運ぶ事にした。





赤ん坊が指差す方向へ運び続けて数日が経った。

「しかし何だよ、この赤ん坊は」

「いろんなモンスターに狙われてるよねえ」

「いつのまにかヘイホーにすり替えられた時はびっくりしたよなあ」

「本当に、指差す方向に赤ん坊を連れて行っていいのかなあ・・・」

ヨッシー達が話し合う。

しかし、どうしたらいいのかわからない彼らには、

指差された方向に赤ん坊を連れて行くしか対処法はないのだ。



指差された方向の場所には、カメ族の城があった。

「ばぶーーーっ!!」

威勢よく赤ん坊が城の中を指差した。

「・・・ここって・・・悪名高いカメ族の城じゃん・・・」

一瞬腰が引けたものの(ヨッシーに腰があるのか知らないけど)、

ここまで来たらあとには引けない。

やがてヨッシーは、カメ族の城に入っていった。


カメ族の城は罠だらけだったものの、なんとか城の奥までたどりついた。

城の奥にある部屋は真っ暗だった。

ヨッシーが部屋に踏み込むと、魔法使いが現れた。

双子の赤ん坊のうちの片方を誘拐した魔法使いである。

「ついにここまで来ましたか。赤ちゃんは頂きますよ!」

「え。どういう事なんだ?」

ヨッシーにとっては、空から落ちてきた赤ん坊が指差す場所に連れてきただけなので、

赤ちゃんを頂きますよ、と言われても何のことだかわからないのだ。

「知らずにここまで来たのですか、それではお話しましょう。

 この赤ん坊---正確には双子のうちの片方なのですが---は、

 将来カメ族に災いをもたらす者なのです。だから2人とも始末する予定なのです」

「なんだって!」

先ほども説明したが、カメ族は悪名高い一族である。

悪名高い者にとっての災いを起こす者とは、悪事の邪魔者という事である。

「だから、ここに来るまでの道中で赤ん坊を狙うモンスターがたくさんいたんだなあ」

「赤ん坊は頂きますよ!」

大声で魔法使いが言ったその時だった。

「うるさいでちゅねー!起きちゃったじゃないでちゅかー!」

暗い部屋の中から声がした。そして、部屋に明かりが点された。

暗くてわからなかったが この部屋は、木馬のオモチャが置いてあったり、

可愛い柄の壁紙にはクレヨンで落書きされた跡があったりする、

いわゆる『子供部屋』だった。

先ほどの声の方向には、カメの子供がいた。

「ひ・・・ひえっ!・・・ク、クッパぼっちゃま!」

魔法使いが驚きながら、カメの子供に言った。

「せっかく寝てたのに・・・」

と、カメの子供は、魔法使いに向かってジャンプし、

魔法使いを踏んづけ始めた。何度か踏みつけると「ふんっ!」と言って

蹴飛ばした。


「ん?んんん?」

カメの子供(以下ベビークッパと表記)は、

ヨッシーの背中に乗っている赤ん坊に対してこう言った。

「なんでちゅかその乗り物。なんだか楽しそうでちゅねー」

“その乗り物”とは、赤ん坊が乗っているヨッシーの事である。

ベビークッパはヨッシーに近づき「ぼっ、ぼくに、よこすでちゅ!」と大声で言うと、

赤ん坊を押しのけてヨッシーの背中に乗ろうとし始めた。

「うわああ!」

逃げ惑うヨッシー。だが、部屋の中では逃げるのに限界がある。

ヨッシーは、お得意のヒップドロップで床に衝撃を与える反撃を試みた。

どすん!

「うぎゃ!」

ベビークッパがその衝撃でひるんだ。しかし、すぐにヨッシーに乗ろうとし始める。

再びヨッシーは逃げ回りながらヒップドロップで反撃した。

---でも、この狭い部屋では逃げられないし、どうしたらいいんだ・・・!?

逃げ惑いながらもヒップドロップで床に衝撃を与え反撃、

しばらくして再度ヒップドロップで反撃、を繰り返すと、やがてベビークッパは床に倒れた。


「ふう。それにしても双子の赤ちゃんの、もう片方はどこにいるんだろうなあ・・・」

汗を拭きながらヨッシーがつぶやいていると、魔法使いが部屋に、ホウキに乗って現れた。

彼は床で倒れているベビークッパを見ると大声で

「クッ・・・クッパぼっちゃまに何するんですかー!ぼっちゃま、今助けますからねー!」

と言い、ベビークッパに魔法をかけ始めた。

魔法の光がベビークッパを包み、だんだん巨大化していった。

巨大化していくと共に、城のあちこちが壊れはじめる。

やがて城と同じぐらいの大きさになったベビークッパは、

ヨッシーに「背中に乗せてくれでちゅ!」と言いながら突進して行った。

「そんなにデカイのは乗せられないよ!(そういう問題ではないのだが)

 ・・・それにしても困った。こんなに大きいと、ヒップドロップの衝撃ぐらいは効きそうにないぞ。

 卵を投げるにしても、あの大きさでは・・・」

悩むヨッシーだったが、そんな彼に光が差した。

城に入れなかった仲間のヨッシー達が、城の外から大きな卵を風船につけて投げ込んで来たのだ。

この大きな卵なら、ダメージを与えられそうだぞ・・・。

ヨッシーは、落石や少なくなった足場に気をつけながら、卵をキャッチし、

そして巨大ベビークッパに投げつけた。

ぎゃおーん!

悲鳴をあげ、ベビークッパが少し引き下がった。

しかし、すぐに体制を整え、再びヨッシーに突進しようとした。

「うわああ・・・」

すぐさま、仲間が投げ込んできた風船つきの卵を手にし、ベビークッパに投げつける。

ベビークッパは再び悲鳴をあげ、少し引き下がった。しかしまた、ヨッシーの方に向かっていく。


果たして、相手がカメの赤ん坊とはいえ、こんな状況で、しかもあんなに巨大化した化け物に

対抗し続けられるだろうか・・・・

ヨッシーが弱気になったその時だった。

突然、背中に乗せている赤ん坊が、火がついたように激しく泣き出した。

そうだ、不安になっているのは僕だけじゃないんだ。

この赤ん坊も、カメ族にさらわれた双子の兄弟と、自分を運ぶはずのコウノトリの2人と はぐれて、

不安なんだよな。弱気になってごめんな、赤ちゃん・・・。

ヨッシーは、すばやく体制を整え、仲間が投げてきた風船つきの卵をキャッチし、

力いっぱいベビークッパに投げつけた。

ぎゃおーーーーん!!!

先ほどとは違った悲鳴を上げ、ベビークッパは光に包まれた。そしてもとの大きさに戻りながら

空高く打ち上げられ----ヨッシーの横に落下した。

「きゅう・・・・」

魔法使いがホウキに乗ってヨッシーの前に現れた。

「お・・・・お前たち、よくもクッパぼっちゃまをこんな目に!

 この仕返しは、必ずしますからねーっ!」

彼はそう言うとベビークッパを持ち上げ、そのままホウキに乗ってどこかへ行ってしまった。


「ふう。終わった・・・のかな・・・?」

また何か現れるんじゃないかと用心しながらヨッシーは辺りを見回した。

「ばぶー・・・」

赤ん坊が、ある方向を指差した。その先には大きな鉄扉がある。

「あの先に何があるのかな・・・?」

ヨッシーはその鉄扉の取っ手に手をかけ、おそるおそる開けてみた。



そこには・・・・・



逆さ吊りにされているコウノトリと・・・・


双子の赤ちゃんの、もう一人の方がいた。





「どうもありがとうございました」

コウノトリが礼を言った。

「この双子の赤ちゃんは、将来カメ族が起こす大きな悪事を打破する運命を背負っています」

「だからカメ族がこの2人を狙っていたんですね」

ヨッシーはそう言うと、自分がここに運んできた方の赤ん坊をそっと抱き上げた。

「その子は双子の赤ちゃんの兄の方で、名前はマリオといいます」

コウノトリが説明をした。

「ああ、だから帽子に頭文字の“M”のマークが付いてるんですね」

しばらくして、ヨッシーはもう片方の赤ちゃんを抱き上げた。

「その子は双子の弟の方で、名前はルイージと言います」

「ああ・・・帽子に頭文字の“L”が付いてますね」

しばらく双子の赤ん坊を交互に見ていたヨッシーだが・・・。


「さて、そろそろ この2人を、両親の所に運ばなければなりません。名残惜しいですが・・・」

「ああ、そうでしたね」

コウノトリが赤ん坊を白い布に包んだ。

「では、ありがとうございました。あなたもお元気で・・・」


ばさばさばさっ!!

白い布に包まれた双子の赤ちゃんをくわえ、コウノトリは飛び立って行った。



ヨッシーは、ずっと空を見ていた。コウノトリが見えなくなっても----


また、会えるといいな。あの2人に。

でも、会えたとしても、本人たちは覚えていないだろう。

赤ん坊の時の出来事って、覚えてない物だからな・・・・。





その出来事から四半世紀の時が流れたある日・・・・。



ヨッシーの家に1通の手紙が届いた。

手紙はヨースター島からだった。

ヨースター島はヨッシーアイランドと同様、たくさんのヨッシーが住む島だ。

手紙の内容はこうだった。

『助けて!カメの化け物達が、島を占領している!』

「!!」

ヨッシーは、その手紙を握り締め、急いでヨースター島に向かった。




「あー?」

ヨースター島に着いたヨッシーが拍子抜けたような声を上げた。というのも。

「カメに島を占領された、って、どこにもカメがいないじゃないか」

どこを見ても、カメらしき物が見当たらないのだ。


あの手紙は悪戯かなあ、帰るとするか・・・。

ヨッシーが帰ろうとした時、遠くから「おーい!」と声がした。

声の方向には、ヨースター島に住んでいるヨッシー達と・・・人間が2人いた。



「手紙が着いたんだね」と、ヨースター島のヨッシーが言った。

「そうだよ、カメに島を占領されたって書いてたから、慌ててこっちに来たんだよ」

「すまん・・・。実はカメに占領されたこの島を助けてくれた人達がいたんだよ。手紙が届くまでの間にね」

「助けてくれた人達がいた・・・?」

「その人達は、偶然この島にバカンスに来てた所だったんだけどね」

「ふむ・・・」

「キノコ王国という国から来た双子の配管工なんだよ」

「へえ・・・えっ!?」


カメ族の悪事・・・・そして、悪事を打破する双子・・・

まさか、あの時の赤ん坊!?


ヨッシーの目の前に、2人のオーバーオール姿で帽子をかぶったヒゲの男性が現れた。

ヨースター島のヨッシーが、その2人の紹介を始めた。

「紹介するね。赤い帽子が双子の兄の方で名前はマリオ、緑の帽子が弟の方で名前がルイージだよ」


やっぱり、あの時の双子の赤ちゃんだ。

あの帽子は見覚えある!そして、顔も面影があって・・・・。

ああ・・・こんなに立派に成長して・・・。

ヨッシーは立ち止まり、ぼろぼろと涙を流し始めた。


あの当時の事を言ってもわからないだろう。

いや、言わなくてもいい。わからなくてもいい。

立派に成長した姿を見る事ができたんだから---


泣いているヨッシーを、マリオは軽く抱きしめた。

「よほど心配してたんだね。でももう大丈夫だよ・・・」

そんな言葉を添えながら・・・・


<終わり>

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物語のベースはヨッシーアイランド(SFC版)です。

あ、あと、スーパーマリオワールドも。

この小説を、マリラブさんに送ります・・・もとい、送りつけます(爆)


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