装備が軽い槍を持った男に、竜王はこう聞いてみた。

「そなたは、なにか大きな攻撃をできるとか魔法が使えるとかあるのか?」

なんだか面接のようだが、自分の味方になりたいという者には一応特徴を聞いておきたいと思ったのだ。

「お金儲けが得意です」

「お金儲け・・・?という事は、商人って事だな?」

「はい!わたしを竜王様の味方にして頂ければ、お金を儲けて、お城の強化や見張りの戦力強化、

 そして妨害者-----この場合、光や平和を取り戻す勇者や英雄気取りな奴の、侵入防止の設備やトラップの設置、

 さらには手下モンスターの強化調教など、いろいろな面で協力し、

 竜王様の活動の強化やサポートを万全にいたします!」


さすが商人だ。簡易的なプレゼンが上手である。

「ほう・・・」

少しであるが竜王は聞き入っていた。

しかし竜王の味方になり世界の半分をもらうつもりの戦士と武道家と魔法使いは釈然としてなかった。


「俺が竜王様の味方になって世界の半分をもらうんだ!」

と、デカい剣を振りかざす戦士。

「オレが竜王様の味方になって、世界の半分を頂くのさ!」

と、拳(こぶし)と、筋肉モリモリの腕を見せるポーズをする格闘家。

「私が竜王様の味方になって、世界の半分をもらうのよ!」

杖を振りかざして言う魔法使い。

商人は、「わたしが竜王様の味方になって、世界の半分をもらうんだ!」

と、槍を構えた。


そして、「勝負だ!」という掛け声とともに、4人は戦い始めた。

「おいおい・・・」と言う竜王だったが・・・

-----自分を取り合って戦うという光景を見るのを悪くない-----

そう思ったのだった。



ところが。

その戦いを止めた者がいた。

少なくとも戦いを中断しないと意味がない人物が来たのである。


かつて世界を包んだ闇を打破し、光をもたらした者の称号の印が着いた装備品に身を包んだ若者-----

つまり『ロトの子孫』が、ここに来たのである。

言うまでもなくロトの子孫は、世界を闇に包んだ竜王の打破を目的に、ここに来たのだ。

そのロトの子孫の勇者の名前は、ツバサといった。


「ついに来たか、ロトの子孫の勇者よ。私はそなたが来るのを待っておったぞ」

「-----俺も・・・。いよいよ戦いの時が来るとはな・・・」


これまで、たくさんの苦労が実り、世界を闇に包んだ竜王の場所にたどり着いた勇者ツバサ。

竜王に打ち勝ち、世界に平和と光をもたらす時も、いよいよ近づいてきたかもしれない。


-----と思っていたのだが。

彼は竜王以外に平和をもたらす事の妨害が発生するとは思ってもみなかった。


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