「勇者よ。もし私の味方になるなら、世界の半分をやろう」

竜王が言った。

「そんな物は要らない!」

そう言ってツバサは先祖が使っていた剣を手に、戦いの準備をすべく身構えたが-----


「おいやめろ!」

戦士が怒鳴り声をあげた。

「竜王様を倒す気か!?ふざけんな!」

武道家も声をあげる。

「竜王様を倒したら、世界の半分をもらえないじゃん!」

魔法使いが言った。

「わたし達の邪魔者だ!まずはこの勇者を始末しよう!」

商人がそう言うと、あとの3人はオーッ!と声をあげ、武器をツバサに向け始めたのだった。


「な・・・なんだ!?この4人は竜王の手下なのか?」

まさか竜王と戦う前に、人間4人に囲まれるとは思っていなかったツバサは驚き、戸惑った。

しかしそう言ってる場合ではない。

彼は剣を向ける方向を竜王から自分を取り囲んでいる4人へと変更した。


しかし-----

修行を積んだ戦士・武道家・魔法使い3人と、アイテムの使いこなしが上手な商人に一斉に攻撃されては、

さすがの勇者の子孫も成す術もない。

ましてや純粋に『世界を救いたい』という気持ちを持つ者よりも、欲望に駆られた人間の方が何倍も強い。

ツバサは床に派手に倒れ込んだ。

そこに、魔法使いの大きな炎が投げ込まれる。

「ぐわあーーーーーっ!!」

野太い悲鳴と共にツバサの身体が焼かれ、やがて彼は動かなくなった。


やったぜ!邪魔者を駆除したぜ!

竜王の味方希望の4人は、大いに盛り上がった。


竜王は、自分の最大の邪魔者を駆除してくれた事もあり、すっかりご満悦だ。

「よくぞ勇者の子孫を退治してくれた!お前たちに味方になってもらうぞ!」



ところが、盛り上がっていた4人は、

「お前たちに・・・?」と、急に静かになった。


「うむ。お前たち4人に、世界の半分をやるぞ。

 仲良く分け合うもよし、共同で暮らすもよし、自由にしなさい」



「おい待て!4人で分けろ、だと!?」

武道家が声を上げた。

「一緒なんて嫌よ!」

魔法使いも同様に言った。

「半分を4人で分けるって事は、8分の1ずつって事じゃないか!?」

商人も声を上げる。

戦士も「俺も分けるなんて嫌だね」と言った。

そしてその直後、

「竜王様の味方の座の争奪戦再開だ!」

という声を皮切りに、4人は戦いを再開した。


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