ニコラスが竜王の味方になり、2か月ほど経った。

もらった世界の半分を楽しみつつも、竜王のボディーガードもガッチリとやっており、

勇者気取りや英雄気取りの者がやってきても、彼が1人で撃退していたので、

竜王にとっては頼もしい味方でもあった。


「しかし気がかりな事があるんだな・・・」

竜王は浮かない顔をしていた。

「どうされました?」ニコラスが聞いた。

「相変わらず予言では、『勇者の子孫が闇を打破する』って話になってるんだな・・・」

「ロトの称号を受けた勇者の子孫なら、以前に倒したし、その話は、あてにならないのでは?」

「まあ確かにな。その勇者の子孫は倒したと同時に装備品も破壊したし、とりあえずは心配要らないはずなんだが・・・」

「他に心配でも?」

「ニコラスよ・・・。『勇者の子孫』は、1人だけじゃなく、たくさんいるんだぞ」

「え・・・」


竜王は説明を始めた。

「世界中の伝説では『勇者の子孫』が魔王を倒すという話は山ほどある。

 ここに来たロトの称号を受けた者の子孫の勇者ツバサも、兄弟がいればそいつも『勇者の子孫』だ。

 もっと言うと、ツバサの親も『勇者の子孫』だ。

 更にはツバサの親に兄弟がいて、その兄弟に子供がいる場合(ツバサから見て「いとこ」)でも、

 その者も『勇者の子孫』だぞ。こういうのは盲点みたいな扱いされがちなんだがな・・・」

「そ・・・そうでしたか・・・。俺はツバサを倒した事により、すっかり安心してました・・・」

「ツバサ以外の『ロトの称号を受けた者の子孫』が来る可能性だって、じゅうぶんにあるんだからな」

「はい!それを心に留めて、竜王様の味方として、しっかりやっていきます!」

張り切ってるニコラスだが、竜王は何も言わなかった。


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