シューッ!
先ほどまで大きかったドラゴンが吐く炎が、小さくなっていく。
そして、激しい煙と共に、ドラゴンの身体はダンジョンの床へと倒れていった。
倒れていったとはいえ、まだ安心できない。
場所は、アレフガルド東部にある縦長の洞窟の、通路のはずれの奥。
この場所にはドラゴンが在住しており、
そして、闇に包まれたアレフガルドを平和に導くカギがあるという情報を得た1人の勇者と呼ばれる者が、
ここへやってきて、ドラゴンとの戦いを挑んでいたのだった。
-----そのドラゴンと戦っている勇者と呼ばれる人間は、名前をツバサと言った。
ツバサは手にしている剣を高く振り上げ、
一気にドラゴンを切りつけた。
激しい音と煙と一緒に、ドラゴンの身体は床に崩れていった・・・
ガチャ・・・
先ほどまでドラゴンと戦っていたツバサは、剣を鞘に仕舞った。
彼は倒したばかりのドラゴンの真上を歩き、奥へと進んだ。
ドラゴンを踏んでいったのは、本当に倒したのかの確認を兼ねている。
何事もなくドラゴンを踏み越えて言ったツバサは、奥へ奥へと歩いていく。
やがてツバサは、一つのドアにたどり着いた。
ドンドンと音を立て、彼はドアを叩いてみた。
すると-----中から女性の声がした。
「ひっ!」
どちらかというと、恐怖で怯えている声であった。
ツバサは追加でドアを叩くのと同時に、中の者に声をかけた。
「どなたか、いるのでしょうか・・・」
一瞬、中から声がしなくなったが、直後、おそるおそる、こう話し始めた。
「わ・・・私は・・・。竜王の手下たちに囚われて、ここにいる者です・・・」
「えっ!?・・・まさか・・・。ローラ姫でしょうか・・・?」
ツバサはドアを叩くのをやめ、同様におそるおそる、そう聞いたのだった。
「はい!ラダトーム王の娘のローラです・・・」
その答えを聞くとすぐにツバサは、ドアの取っ手を力いっぱい引っ張った。
こういう場所では鍵がかかってるはず。なので開けるには一筋縄でいかないだろう。
-----ところが。
ドアには鍵がかかっていなかった。
力いっぱいドアの取っ手を引っ張ったツバサは、後方に派手に転倒してしまう。
「うわあ!」
そんな声をあげながらも、なんで鍵がかかってないんだろうという疑問をもったのだが・・・
「こ・・・このドアは、鍵はかかってません」
ローラ姫が驚きながら言った。
「そ、そうですか・・・」
起き上がりながらツバサが言った。
この場所にローラ姫を助けに来たのだが、初対面がかなり間抜けな状態になってしまったものの、
ツバサは改めてこう言ったのだった。
「改めまして・・・私はローラ姫を助けに参りました。名はツバサと申します」
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