「まさか助けが来るとは思ってなく、この場所で尽き果てると思ってました」

ローラ姫がそう言うと、ツバサは、

「もう安心してください。この場所を守っているドラゴンを倒しましたので、ここから出る事ができますよ」

と言ったのだが・・・

ローラ姫の足取りは、フラフラだった。

長期に渡って閉じ込められ、あまり歩いたりしていなかったため、足も脚も弱くなっていたからだ。

さすがにその者に歩けというのは酷なのかもしれない。

ましてや国のお姫様なのである。


「ローラ姫様・・・あなたを抱えますよ」

ツバサはそう言って、ローラ姫の身体を横向きに抱え上げた。

いわゆる『お姫様抱っこ』という形である。

抱えあげられて驚いたローラ姫は、とっさに

「あ、勇者様・・・じゃなくて・・・ツバサ様・・・でしたっけ」

と言ったのだった。


「では、このまま外に行きますよ」

ツバサがそう言うと、ローラ姫はやや小声で「はい・・・」と答えた。


久しぶりに囚われていた部屋を出たローラ姫は、先ほどツバサが倒したドラゴンの死体を見て驚いた。

「こんな魔物が・・・あの部屋を守ってたのですね」

「はい」

「・・・だからあのドアに鍵をかける必要がなかったのですね」

ドアに鍵がかかってないのはそういう事か!と、ツバサは納得した。


ローラ姫を抱えながら洞窟の出口へと向かうツバサ。

普段は洞窟はモンスターがたくさんいるのだが、なぜか今は現れなかった。

『ドラゴンを倒した者がここにいる』、という事で、他のモンスター達は隠れているのだ。


やがて、洞窟から出た2人だが-----

「ああ、まぶしいですわ・・・」

ずっと洞窟に閉じ込められていたローラ姫は、改めて外に出られる事を喜んだ。



喜んでいるローラ姫ではあるが、助けた側のツバサは、ドラゴンと戦った事により疲れていた。

ましてや人を抱えているのである。

「ツバサ様・・・お疲れのようですね」

そう言ったローラ姫だがツバサはさすがに正直に疲れたとは言えず、

「このままラダトーム城に戻りましょう」と言ったのだが------


「城に戻るまでに、どこかで休みましょう!」

ローラ姫のその言葉に、ツバサは面食らったのだが、

確かにこの状態で凶悪なモンスターに遭遇したら、やられるかもしれない。

彼はその言葉に従う事にした。


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