スマブラバトルイベントの開催日がついに明後日となった。

既に選手寮には、最初から出る選手の8割程が来ている。

あとの2割は明日来るのだ。


そして開催日前日の明日、スマブラに参加する選手のお披露目会が行われる。

「お披露目会は、おしゃれしなくてもいいぞ。 普段の服装にしてくれ。 じゃないと誰なのかわからない場合もあるからな」

という、マスターハンドからの説明があった。

「普段の服装って言ってもなあ・・・。 やっぱオレの場合、Miiのデフォルト衣装?」

スマブラバトルイベント一般参加Miiのタツヤがつぶやいた。 彼は今、選手寮の自分の部屋にいる。


コンコン☆

ドアを叩く音がした。

「タツヤいるか? 入るぞ」

その声とともに、タツヤと同じく一般参加Miiのデレックが入ってきた。

「どうしたんだ?」

「さっき事務所から連絡があったんだが、」

事務所とはスマブラバトルイベント運営事務所の事だ。

「連絡?」

「ああ。 俺たちMiiファイターのバトルでの衣装の件だ」

「やっぱりMiiのデフォルト衣装なのかな」

「いや、Miiのデフォルト衣装をアレンジした衣装を用意してある、との事だ」

「デフォルト衣装のアレンジか・・・。 どんなんだろう」

「Miiファイターは各自事務所まで衣装を取りに来るように、という連絡が来たんだ」

「じゃあさっそく行ってくるか」

と、さっそく出かける用意を始めたタツヤだったが・・・

「あ。 待ってくれ。 道中で強奪されるのを防ぐため、地下通路を使って来てくれとの事だ」

デレックが引き止めた。

「地下道通路か。 そりゃまた用心深いな。 とはいえ衣装を取られたら大変だもんな」

地下通路とは、人気者の選手が混乱なくバトルイベント会場や従業員用施設にたどり着けるようにするために作られた、名前通り地下にある通路だ。

あくまで人気者の選手が大勢のファンに囲まれて目的地に行けなくなってしまうのを防止するための物なので、

一般参加のMiiファイターには無関係な設備だと彼らは思っていた。


「すごいな・・・」

「ほんと、秘密の通路って感じだな」

「確かにこれだと、外部の者と一切会わずに目的地に行けるわねえ」

タツヤ、デレック、シュリの3人は今、地下通路にいる。

地下通路の入り口及び通路の構成はスマブラ選手と一部の従業員以外には知らされていない。

「ねえ、今気付いたんだけど」

シュリが言った。

「何だい?」

「強奪防止のために地下通路を通るようにって言われたけど・・・。 別に行く時は普通に行ってもよかったんじゃない?」

それを聞き、タツヤは「確かに・・・」と言って苦笑した。

「でも、一応通路を確認するためにも行く時にも通っておいたほうがいいんじゃないか?」

デレックが冷静に言った。


「・・・ここだな」

やがて3人は、事務所に通じるドアのある場所までやってきた。

そこには小型の機械が置いてあった。 この機械に身分証明書をかざすとドアが開いて入場できる仕組みになっている。

さっそくタツヤが身分証明書を取り出し、機械にかざしてみた。

するとスーっとドアが開いた。

「すごいな、近未来的な感じだ」

タツヤが入って行った。

続いてシュリが入ろうとしたら、サッとドアが閉まってしまった。

「あらま・・・」

「1人ずつ入る仕組みじゃないか? 身分証明書のない者まで入れてしまうのを防ぐために」

デレックが言った。

「そっか。 タツヤが開けたら続いて入ろうかと思ったけど」

そう言ってシュリは身分証明書を取り出し、機械にかざした。

しかしドアは開かなかった。

「どうしたのかしら。 読み取れないの・・・?」

そんなシュリを見たデレックが苦笑して言った。

「シュリそれ・・・。 ここの身分証明書じゃなく運転免許証だぞ。 確かに身分証明書でもあるけどな」

「あらいやだ」

シュリは赤面した。


ドアの向こうは、倉庫のような部屋だった。いや、倉庫そのものだった。

たくさんの木箱やダンボール箱が置かれている。

ただ、それらの箱はスマブラバトルに使われる、アイテムが入った物とは違っていた。

「倉庫・・・だよな。 ここ」

「てっきり通路があるかと思ってたけどな」

「もしかして、事務所に通じるドアは違う場所かな・・・」

3人が戸惑ってるその時だった。

いきなり、壁の一部がスライドし始めた。

その場所から現れたのは、女性の事務員だった。

「お待ちしてましたよ。 衣装の件ですね」

何事もなくそう言った事務員に、Miiファイターの3人は、「はあ・・・どうも・・・」としか言うしかなかった。

「驚いたでしょうね。 地下通路から事務所に通じるはずのドアの先に倉庫があったんだから」

「入口をまちがえたのかと思いましたよ」

「これも関係者以外の出入りを防止する仕掛けでして、どちらかというと事務所側から地下通路に部外者が誤って入ってしまう事を防いでるんです」

「なるほど・・・」


「衣装はこちらです。 衣装は2セット入ってます。 あとは靴は1足、ベルトは1本です」

「靴もなんですか・・・」

「せっかくだからフルセットで揃えたい、という事だそうです。 これはマスターハンドの指示ではなく、衣装デザインの人のこだわりだそうで」

「衣装デザインの方のこだわりですか・・・」

事務員は、3人のMiiファイターに大きな紙袋を手渡し、こう言った。

「衣装は、一旦選手寮に戻ってから試着してください。 もしサイズ調整したいなどの要望がありましたらすぐに連絡くださいね」



「いよいよスマブラの選手なんだなあって再認識するよなあ・・・」

タツヤが言った。

「でも正直な話、衣装があったなんて思ってもみなかったな。 てっきりMiiのデフォルトの服装で戦うのかと」

デレックがそう言うと、シュリがこう言った。

「でもMiiのデフォルトの服装だと、私の場合、シンプルなワンピース姿で戦う事になるのよね」

「た・・・確かに」

男性の場合はシンプルなパンツ(ズボンの意味の)姿なのだが、女性の場合シンプルなワンピース姿なのだ。

さすがにそれだとバトルの激しい動きで中が見えてしまう事もあるかもしれない・・・



「なるほど」

場所はスマブラ選手寮のタツヤの部屋。

彼は事務所で受け取った衣装を身に着け、姿見の前に立って見ていた。

それは確かにMiiのデフォルト衣装をアレンジした形で、かつ、格闘タイプだと一目でわかるデザインであった。

手には手袋をしていて、足には大振りな格闘用ブーツを着けている。

タツヤは足を挙げたり拳を素振りしてみたりして、この服装でも戦えるか確認をしてみた。

「よし、問題なく動けるな!」


コンコン☆

ドアを叩く音がした。

「タツヤ着替え終わったかー? 入るぞ」

その言葉と共に、デレックが部屋に入ってきた。 彼もスマブラ用の衣装を着ていた。

「おー、やはり違うデザインだな」

デレックの衣装を見てタツヤが言った。


トントン☆

ドアを叩く音がした。

「タツヤ着替え終わった? 入っていい?」

シュリの声がする。

「ああ。 デレックもいるぞ」

ガチャっとドアノブを回す音がし、ゆっくりとドアが開いた。

そして開くドアと同様に、シュリがゆっくりと入ってきた。 彼女もスマブラ用の衣装を着ていて、手にはハンドキャノンを装着していた。

ゆっくりとドアを開けたのは、単に利き手にハンドキャノンを装着しているので反対側の手で開けたためだった。

「おお! やはり俺たちと同じくMiiのデフォルト衣装をアレンジしたデザインだな!」

「ハンドキャノンに合わせたデザインのパーツを身に着けていて、本当にガンナーって感じだな・・・」

「こうやって見ると、改めてスマブラの選手なんだなあって思うわよねえ」



場所は変わって選手寮の裏庭。

この場所で、選手はバトルの練習をしたりする。

今、Miiファイターの3人は、この場所にいる。

とはいえ、バトルの練習ではなく、新しい衣装で支障なく動けるかのチェックだった。

バトルでは激しい動きをする。 なので試合中に服が破れたりしたら大変だ。

もちろん、激しい動きや攻撃によりほころびたりする事もあるのだが・・・

「問題なさそうですね」

突然声がしたので3人は驚いた。 そして一斉に声の方向に振り向く。

そこにいたのは、さきほど事務所で会った事務員だった。

「確認に来たんですか?」

タツヤが聞くと、事務員は「いいえ、別件で選手寮に来たので、ついでに見に来ただけで・・・。 まあ確認といえば確認かもしれませんけど・・・」と答えた。



「いよいよ明日が選手お披露目会で、あれを着てスマブラ選手としてレギュラー選手と一緒に表舞台に立つんだな・・・」

場所は選手寮のタツヤの部屋。彼は衣装は既に脱いでいて、ハンガーにかけている。

しばらくしてタツヤは、出かける用意を始め、部屋を出た。

「あら出かけるの?」

廊下でシュリが声をかけた。

「うん、ちょっと買い物に」

「行ってらっしゃい。 気を付けてね」

「うん。いってきます」


シュリが言う気を付けてね、は、一般的に言う車に気を付けてね、という意味もあるのだが、それとは違った意味も含まれている。

用心する必要もあるものの、かと言って過度に警戒するほどでもなく----


突然タツヤの前に2人の男が現れた。

「おい。 お前がスマブラ一般参加Miiで格闘家のタツヤだな?」

「・・・そうだけど」

タツヤは素直に答えた。

「そうかお前がタツヤか」

どうやらこの2人は、タツヤの事を待ち伏せしていたようだ。

「ちょっと話を聞きたくてな」

「話ってなんですか」

「お前不正して選考戦に勝ち残ったんだって?」

「!?」

そもそもスマブラのような大掛かりなバトルイベントでは、不正をすればすぐわかるものだ。

それが選考戦などの、バトルイベントのための下準備的なものでも。

高い競争率に勝った者に、言いがかりやイチャモンを付けて来る人がいるのは、よくある事だ。

「仮に不正したとしても、すぐにばれるじゃないですか。 実際選考戦で不正して失格になった人は何名かいましたし。 言いがかりはやめてください」

そう言ってタツヤはその2人の横をすり抜け、その場を去ろうとしたのだが、

「逃げる気かい?」

と、新たにまた1人、目の前に現れたのだった。 合計3人に取り囲まれた事になる。

・・・ところが。

----あ! ここに来てるのは3人だけじゃない! もっとたくさんの人数だ!

タツヤは感じていた。 こういう目に見えないものを感じるというのは、これまでに戦いを重ねてきた事による『感覚』によるものだ。

----どれぐらい? ・・・この3人を含んで少なくとも5人はいるな・・・7~8人ぐらいか・・・?

彼を待ち伏せているのは道にいたり、物陰に隠れてるのだけじゃなさそうだ。

----なんか空中からも、こいつらと同じ気配感じるぞ。 木の上に登って待ち伏せてる奴がいるって事か・・・?

「おい、なに黙ってるんだよ」

----そんなに大勢だと、ひとたまりもないぞ! ・・・いや、戦うつもりはないけどな・・・

「オレから何を聞き出そうとしているんだ? さっきも言ったが、オレは不正なんてしてない。 それ以前にそんな事したら普通ばれるじゃないか。

 実際に不正が発覚して失格した奴もいるんだぞ」

「言い訳は聞きたくない。 ・・・いや別に、真実を聞きたいわけじゃないんだがな」

「何だよ?」

「ちょーっと俺達の遊び相手になってくれれば、それでいいんだからさ」

「何だと・・・?」

もちろん、遊び相手といっても、本当に遊ぶわけではない。

ジリジリと3人が寄ってくる。 そして3人のうちの1人が、バチンという音と共に大振りなナイフを取り出した。

「ジャックナイフだ・・・」(ジャックナイフは大型の折り畳み式ナイフです)

刃物を持ち出されては、何されるかはもちろん、どうなるか予想がつく。

しかし、ここにいる3人以外にも、タツヤを取り囲んでいる者がいるのだ。


----仕方ない・・・


タツヤは突然、仁王立ちになった。

そして、『気』が自分に向いている、取り囲んでいる3人と、それ以外の物陰に隠れたり木の上から彼を狙っている者へ、自分の『気』を集中させ、一旦高くジャンプした。

そして地面に足が着く瞬間に、力一杯踏みしめて----


ドーン!


一瞬、地響きがした。

「うわあ!」

そんな声を上げ、タツヤを取り囲んだ者たちが転倒する。

それと同時に、物陰に隠れてタツヤを狙っていた者も転倒し、木の上に隠れていた者も木から転落した。

バラバラッ!ドサッ、ドサッ!


----え・・・!?

タツヤは驚いた。

というのも、彼を狙って隠れていた者の数が、考えてた以上だったからだ。

少なく見積もっても12人程いる。この者達全員に攻撃されては、さすがのタツヤでさえも、ひとたまりもないだろう。

タツヤは逃げるように、この場を走り去った。



「はあ・・・。 えらい目にあったなあ・・・」

ため息をつきながら、タツヤは選手寮に戻った。

手には大きな袋がある。 あの後、追手がいないのを確認し、そのあとは何事もなく買い物をしていたのだった。

廊下でタツヤはデレックに呼び止められた。

「おいタツヤ。 事務所から呼び出しがあったぞ」

「・・・さっき買い物中にあった件かな」

「なんかあったのか?」

デレックにそう聞かれ、タツヤは最初は言いにくそうだったが、やがてぼそっとこう言ったのだった。

「・・・襲撃に遭ったんだ」

「多分その件だろうな」



「待ってましたよ」

場所は変わって事務所。 そう言ったのは、女性の事務員だった。

タツヤは呼び出しがあったのを聞き、すぐに地下通路を使って事務所に向かったのだ。

「ついさっき、電話があってね・・・。 タツヤに『不正して選考戦に勝ち残ったって話を聞いた事あるんだけど』って言ったら、

 いきなり地響き立ててこちらを転倒させて逃げたんだけど、どういう事だ!・・・って、まあクレームが来たのよね」

タツヤは頭を下げ、「すみません・・・」と言った。

「あ。 いや、話はそうじゃないの。 頭を戻して」

「?」

「それって向こうの視点と都合だけの一方的な話よね。 タツヤ側の話も聞きたいわ。 それ以前に、この件は本当なのかしら?」

「本当といえば本当なんですけど・・・。 でも一方的です。」

「・・・でしょうね。 どうだったの?」

「オレ、買い物に行ってたんですが、道中に2人の人が現れて『お前選考戦で不正して勝ち残ったんだろ?』って言ってきて、

『オレは不正していない。それにスマブラのような大きなイベントで不正なんかしたら、すぐにばれるじゃないか。

 確かに選考戦で不正して失格になった奴はいるけど』って言ったんです」

「・・・確かに、不正で失格になったMiiは結構いたわねえ」

「言いがかりは、やめてください、って言って、その2人の横をすり抜けて行こうとしたら、もう1人現れたんです。

 その者は『言い訳は聞きたくないが、真実を知りたいわけでもない、ちょっと遊び相手になってくれ』って言って、ナイフを出して来たんです。」

「ナイフを・・・。 それなら話は変わってくるわね」

「その時に、自分を取り囲んでるのはこの3人だけじゃない、って『気』を感じたんです。

 『気』というか『気配』というか・・・説明するのは難しいですが・・・」

「長く戦いを積んで研ぎ澄まされた感覚って感じ? 姿は見えないけど自分を狙ってる者が近くにいる、みたいな」

「そんな感じです。 空中からもそんな気配があったので、木に登って待ち伏せてるのもいるかもしれないな、って」

「他にいそうな気配って、どれぐらい?」

「その時は7~8人ぐらいかな、って思ったんです。 さすがに大人数ではないな、と思ったんですが、

 さすがにその人数には太刀打ちできない、というわけで、地響き立てて転倒させてその隙に逃げようと思ったんです。

 もちろん相手がナイフを出してきてたものの、応戦する気は一切ありません。」

「その前に、よくそんな地響きなんて事できたわねえ」

「ああこれは、もともと、かくれんぼの鬼役の・・・ちょっと反則技的なものなんですが。 地響き立てて木の上に隠れてる人を振り落とすんです」

「かくれんぼの・・・?」

「はい。 今回、転倒させた方法は、それを応用したものです。 もちろんこの地響きは、無関係者を巻き込まないよう、

 自分に向いてる『気』の者だけを対象にするように調整はしていました」

「ふむふむ・・・。 って、その、かくれんぼの鬼役が地響き立てて木の上に隠れている人を振るい落とす技って、何か元になる物があるのかしら?」

「これはおそらく、ほとんどのMiiが出来ると思います。 もしかしたら、デレックもシュリも出来るかもしれません」

「ふむ・・・。 Mii種族特有のものなのね。 フライパンで焼き料理じゃない物が作れたり、赤色が好きだと炎魔法が使えたり青色が好きだと水魔法が使えたり、

 メガホンやラジカセの音でゾンビを撃退したりするような感じと同じで」

「・・・で、地響きを立てて、転倒させてその隙に逃げるつもりだったんですが・・・」

「タツヤを取り囲んでるのは7~8人どころではなかったとか?」

「取り囲んでる3人以外にも、物陰に隠れたり、木の上に隠れている者もいたので、結構な人数でした。 少なく見積もって12人ぐらい・・・」

「少なく見積もっても12人!」

「正直、そんなにいたとは思ってなかったんで驚きました。 そのあと、なにもせずに逃げました」

「ふむ・・・。 それにしても、そんなにたくさんの人数に取り囲まれて驚いたでしょう」

「驚きました」

「でしょうね」

「・・・なので、人を転倒させてしまったのは本当です」

「確かに先ほどのクレームの、転倒させられたって話は本当だけど、確かにそんな状況でタツヤが逃げるには、転倒させるぐらいしかないものねえ・・・。

 とはいえ、今回はタツヤが身を守るための事だったというのがわかったわ」

「・・・はい」

「説明会の時にもあったと思うの。 特定の選手の過激なファンから襲撃される事もあるって話が。

 特にタツヤとシュリとデレックは一般参加選手だから、いろんな言いがかりをつけて襲撃される事が予想されるから気を付けろって」

「はい、ありました」

「了解。 この件はタツヤが身を守るために転倒させたという事でまとめて、マスターハンドに伝えておくわね」



「それにしても一方的なクレームだな。 確かにクレームは一方的なものだけどさ・・・」

やや疲れた様子で、タツヤは選手寮に戻った。

「よっ、タツヤ」

デレックが声をかけた。

「あ、ただいまー」

「おかえりなさーい」

そう言ったのはシュリだった。

そして、デレックとシュリの2人は、こう言った。

「かくれんぼしないか?」

「・・・おい」

「うふふ、冗談よ」



その日の夜。

タツヤは自分の部屋のベッドで横になっていた。

彼が考えてるのは、昼間あった事だ。

----『お前不正して選考戦に勝ち残ったんだって?』

----『言い訳は聞きたくない。 ・・・いや別に、真実を聞きたいわけじゃないんだがな』

どうも引っ掛かる部分があったのだ。

「不正して選考戦に勝ち残ったんだって?」という言い方は、自分が直接見たり聞いたりしたものではなく、他の者から聞いた事による言い方だ。

言い訳は聞きたくないと言ってるにもかかわらず、真実を聞きたいわけではないと言っており、矛盾している。


「なんか、モヤモヤするんだよな-----」



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