「次に、スマブラ選手としてのこの地での規定、及び、禁止事項や制限の説明をする」
やはり、人気者や有名人と一緒に活動をする以上は、イメージを大事に、という事もある。
しかし、それを逆手に取る輩もいるわけで・・・
「ここにいる3人は、高い競争率に勝ち残った者たちという事もあり、選考戦で敗退した者から逆恨みを買っている可能性もある。
それからスマブラという場所柄、人気者と一緒に活動するという事もあって、それが気に入らないという者もいる。
また、単に目立つ場所で活躍する者が気に入らない、というのもいる。
そういう事もあり、奇襲を受ける可能性もある」
「実はスマブラのレギュラー選手も、奇襲を受けた事がある。別の人気者を攻撃したからという理由でな。
もちろんバトルイベントなので、攻撃し合って当たり前なのだが、過激的なファンにはそれは通用しない。
・・・これを見てくれ」
クレイジーハンドが、数枚の印刷物を3人のMiiファイター達に配った。
それには、レギュラー選手が奇襲を受けた記録が書かれていた。
これはもちろん、奇襲を受けた話の一部である。実際には、もっとたくさんあったのはもちろんの事、
奇襲を受けたが報告をしていない件もあったりするのだ。
「ここで3人に聞いてみようと思う。 もし別の選手の過激なファンに襲撃されたらどうする?」
「俺の場合、逃げます」
最初に答えたのはデレックだった。
「あ・・・私も逃げます」
次に答えたのはシュリだった。
「・・・オレも逃げるなあ・・・」
タツヤもそう答えた事により、3人の答えは『逃げる』で一致した。
「ふむ・・・。 3人とも同じで逃げるという回答なのか・・・」
なんだか拍子抜けした感じでマスターハンドが言ったが、
「では、逃げるという判断をしたのは、どうしてだ?」と、続いてクレイジーハンドが問いかけた。
「他の選手の過激なファンによる襲撃と言う場合、お目当ての選手に攻撃して許せないという感情によるものなので、
襲撃者は戦いに長けてない者だと思われます。 なのでこちらが応戦したらケガをさせてしまう可能性があるからです。」
デレックが淡々とした口調で答えた。
「ふむ。 確かにそうだな。でも、襲撃は本人ではなく雇われたプロの復讐人の可能性もあるぞ」
「確かにそうですが、どちらにしろ、余計な戦いはしたくないというのが本音です」
「結構本音が出たな」
「あ、でも、あくまで俺の意見であり、あとの2人は違うかもしれません」
「そうだな。 タツヤはどうだ?」
クレイジーハンドは今度はタツヤに話を振ってみた。
「オレの場合、剣士のデレックとは話が変わってきますが、」
「ほう」
「デレックの場合剣士なので、バトルフィールドや競技場以外では剣を携えてないのが普通です。
もちろんシュリも、バトルフィールドや競技場ではハンドキャノンを装着していますが、普段は外しています。
しかしオレの場合は、装備品不要で、いつでも戦えてしまうという事で、『反撃=応戦』という事になってしまいます。
先ほどの意見とは被ってしまいますが、やはり余計な戦いを避けたいのはもちろん、ケガをさせてしまっては大変という事もあって、
やはり襲撃が来たら逃げたいというのが本音です。暴力振るわれた、ケガを負わされた云々で騒がれる可能性もありますから」
「結構本音が出たな。 いや、そういう意見が当たり前かもしれないが」
クレイジーハンドがそう答えると、今度はシュリに話を振ってみた。
「ではシュリの場合はどうだ?」
「襲撃が来たら・・・大声を上げて人を呼びたいのが本音ですね。
私の場合、戦いの場ではガンナーですが、普段はあくまで普通の人ですから」
「ふむ。 非常時に人を呼ぶという選択肢も大事だ」
「しかし他の人を呼ぶという事は、第三者を巻き込むという事にもなるので、難しいかもしれません。
なので、私の場合も逃げるという選択になります」
「ふむ。第三者を巻き込みたくない、と・・・」
「いずれにしろ、襲撃されそうになったら逃げるという回答だったな。
応戦したらケガを負わせてしまう可能性がある、という理由と、第三者を巻き込みたくないという理由によるもので」
マスターハンドは、改めてこう聞いた。
「ひとつ言っておくが。 肝心な所を忘れてないか?」
その言葉には、3人とも答えが返せなかった。
自分への襲撃に対しての応対が、自分以外の者が対象の事しかないからだ。
「相手を思いやる事も大事だが、自分の身の方が大事だぞ。
もちろん、逃げるという方法も自分の身を守るという方法でもあるが」
「さて次は、この地での設備についてだ。この地では現在、いろんな世界を模した土地を作成中だ。
いろんな世界というのは、例を挙げると、どうぶつの森やトモダチコレクションやウーフーアイランドなどだ」
マスターハンドの説明に、デレックが「かなり大がかりですね」と言った。
「ああ。 今回は従来の何倍もの規模になる。 そして、各世界にあるお店も模して、実際にお店として開く。
スマブラバトルイベントのスタッフは、それらのお店ではスタッフ割引になる。
そしてスマブラの選手はもちろん、ここにいる3人もスタッフ割引になる。」
「それは楽しみですね」とシュリが言った。
「あとそれから・・・。 3人がバトルイベント期間中に住むことになる選手寮だが、レギュラー選手と一緒に住んでもらうという形になる」
「あ、てっきり選手たちと別の所に滞在すると思ってた・・・」
ぼそっとタツヤが言った。
苦笑いしながらマスターハンドは、「おいおい・・・」と言った。
「3人とも、スマブラの選手なんだからな。 期間中レギュラー選手と同じ寮に住んでもおかしくないじゃないか。
あ、隠れ選手はレギュラー選手と合流するまでは別に用意している寮に住んでもらう事になるが」
「別にある隠れ選手用の寮ってどこなんですか?」
デレックが聞いたが、「おいおい。 隠れ選手が誰なのかはレギュラー選手にも伝えてないんだぞ。 当然の事ながら、場所は秘密だ」
とマスターハンドが答えると、彼は「そうでしたね・・・」と少し照れた。
「あとはバトルの説明だ。しかし、戦いに関する基本的な説明は省略する。
省略するのは、主にバトルでやってはいけない事などだ。3人とも戦いに長けてるだろうから、やってはいけない事はわかっているだろうし。
スマブラは何でもありだから、バトルステージでは時間の許す限り、好きに戦うがいい。
日によってバトルのマッチングが変わる。 これは機械によるランダムな組み合わせだ。」
「・・・とりあえず、これぐらいかな。 あとは、わからない事があれば、係員に聞くといい。
バトルイベント開催までには、まだ少し期間がある。 一旦帰国するのもよし、そのまま開催まで滞在するもよし、どうするも自由だ。
ただ、バトルイベント開会式の直前の日には選手のお披露目会があるので、それには出てほしい。 もちろんこのお披露目会には隠れ選手は出ないが。」
「あとは・・・。 明後日に、レギュラー選手と今回最初から出る選手への、説明会を開催する予定だ。 今やってる説明会と同じような感じのな。
念のために早めに来る場合、今日ぐらいに来るかもな・・・」