「遅い時間なのに結構にぎわってるわね。さすが観光地でもあるというか・・・」

ミサキはつぶやいた。

場所はタウン。無線連絡によると、ここに1台子UFOがいるばずなのだ。

「建物より上の高さから見下ろして探すか、いっそ低空飛行で細部中心で探すか・・・」


コツン☆

「きゃっ!」

同行している子UFOのうち1台が、ミサキに軽くぶつかった。

ぶつかったのは運転ミスではなかった。何か言いたいらしい。

「えっ、何・・・?」

「◇△*◆!」

どうやら特定の方向を指しているようだ。その方向をよく見てみると、他の子UFOらしき姿がある。

「ああ、他の子UFOがいるって教えてくれたのね。ありがとう」

ミサキはそう言って、その方向へ向かって行くが・・

「ええっ!?」

直後に彼女は驚いた。

その子UFOが、ミサキ達の方へ向かってきたのだ。

「ああ、仲間の子UFOの姿を見て、こっちへ来たのね」

ミサキはすっかり安心していた。

ゆっくりと、子UFOが近づいてくる。そしてミサキ達の前までやってきた。

・・・しかし。

その子UFOは、ミサキ達の前をすり抜け、そのまままっすぐと飛んで行った。

「・・・え・・・?」

すっかり自分たちの前で停まり、合流するかと思っていたのだが、そのままスルーするような感じで行ったのだった。

「あ!待ってよ!」

慌ててミサキが追いかけていく。

「〇□*・・・」

通り過ぎて行った子UFOの様子に、あとの子UFO達は慣れた様子だった。

『やれやれ、またか』といった感じなのである。

ミサキの横を通り過ぎたのは、逃げたわけではない。

逃げるのなら、わざわざ横を通っていく必要はないのだ。

つまり、通り過ぎて行った子UFOの性格(正確には子UFOの中で操縦している宇宙人の性格)は、ボーっとした性格なのである。


ボーっとしていながらも、たくみに空中を飛び続ける子UFO。

それを追っていくミサキ。

さらにそれに着いていく子UFO2台。

傍から見ると、妙な光景である。

「このまま追いかけるだけじゃ、前進しないわねえ・・・」

そうつぶやき、ミサキはロケットベルトの速度を上げた。

そして逃げてる(?)子UFOの先回りをした。通せんぼの形である。

ただし、単に通せんぼをしても、さっきと同じく擦りぬけていく可能性もある。

「ちょっと失礼!」

そう言ってミサキは、子UFOに接近し、表面のボディを軽くポンポンと叩いた。

さすがにボーっとした性格でも、刺激を与えれば気づくだろう。

「△〇※!?」

ボディを叩かれた側の子UFOが反応をした。そして改めて周辺を見る。

目の前に見たことない者(ミサキの事)がいる。

そしてその後ろには、自分の仲間の子UFOが2台いる。

それを見て、やっと自分の状況に気が付いたようだ。

「読み通り・・・だったわね」

「○☆★・・・」

気付いた側の子UFOが、ミサキと一緒にいる2台の子UFOと話を始めた。

当然の事ながら何を話ているのかは、ミサキにはわならないのだが、見ていると、何を話しているのかは、なんとなくわかる。

「さあ、迷子の子UFOは、あと1台ね。一緒に探しにいきましょ。」

無線連絡ではあと1台はレッドゲートブリッジにいるのだが、迷子がじっとしている事がないうえに、

子UFOは空を自在に飛べるため、既に違う場所にいる可能性があるのだ。


タウンからレッドゲートブリッジまでは、そんなに離れていない。

もちろんこれは、建物の上を通る事が出来る、空中経路での事だが。

ミサキは時折、3台の子UFOが着いて来れているか確認しながら、レッドゲートブリッジへ向かって行く。


「やはり、いないわね・・・」

レッドゲートブリッジの真上を軽く旋回しつつ、ミサキはつぶやいた。

「どこか違う場所に、既に行っちゃってるのかもね。とりあえず、橋の下もチェックしておこうかしら」

ミサキはゆっくりと高度を落として行った。

「何であれ、橋の真下に隠れてる事ってあるのよね。意外な物とか」

橋の真下は、人は来れないものの、ロケットベルトで観察するのは可能だ。

通るだけなら飛行機でも可能である。

なので、橋の下に『何かを隠す』というのは、実質的に不可能なのだ。

「さすがに狭いから、子UFOが隠れてるなんて無理だけどね。」

さらに高度を落とし、橋の下へ近づいていく。

「ああもう!また落書きがしてあるわ!」

こういう場所は、時折悪質な観光客が落書きしたり、小型刃物で名前を彫ったりしている事がある。

「後で清掃係に連絡しておこうかしらね・・・」

ミサキはため息をつきながら、落書き場所を確認した。


「とりあえず、この辺りには、4台目の子UFOはいないみたいだから、探す場所をちょっと離れた所に移動するわね」

子UFOたちにミサキは言い、ロケットベルトの高度を上げ始めた。

子UFOたちはミサキの言葉はわからないものの、ミサキと同様に高度を上げ始めた。

そんな中、思わぬ声がした。

「△〇※!◇☆◎!!」

「えっ?」

そこには1台の子UFOの姿があった。

「◎*▽□!!」

ミサキと一緒に飛んでいる3台とは違った雰囲気だった。

「あら、あなたが4台目の迷子の子UFOね」

これで揃った。あとはテンガ・マナンガ火山の南東にあるマザーシップへ連れて行くまでだ。

「☆□○!△※*!!」

言葉はわからないが、雰囲気からかなり興奮しているのがわかる。

「わ・・・私は怪しい者ではないわ!マザーシップから、4台の迷子の子UFOを見つけて連れてきて、って頼まれた者なの!」

こういう時に自分が怪しい物ではないと主張してしまうのはなぜだろう。

「実際に、ほら。3台のあなたの仲間がいるでしょう?」

ミサキはそう言って、一緒にいる3台の子UFOを両手を広げて見せてみた。いや、そうして見せなくてもわかるのだが。

しかし相手の子UFO側は、ミサキの話は聞く気はないようだ。

それ以前に言葉が通じないので、興奮した者が聞き入れるという事自体無理がある。

「□∇*※ー!!」

相手の子UFOは、奇声に近い大声を上げて、ミサキに突っ込んできた。


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