イサムは捕らわれていた時の事を思い返していた。
-----ダーズにより闇の世界に引きずられたイサムは、気が付くと見知らぬ場所にいた。
自分は、ただ単に暗い場所に、がんじがらめに縛られている。
『気がついたのか・・・』
そんな声がした。声の主は、もちろん闇の世界を司るダーズである。
しかしダーズの姿はなく、声がするだけだった。
「何だよ、これは!」
大声でイサムが聞いたのだったが・・・
『知らないのかお前』
「当たり前だろ!」
目を覚ましたら見知らぬ場所で、がんじがらめに縛られているなら、そう答えるしかないだろう。
『そうか知らないのか。・・・ならば教えてやろう。
スマブラのメンバーと一緒に戦ってたのは覚えてるのか?』
「・・・覚えてるよ・・・」
イサムは素直に答えた。
ところが、声の主から、思わぬ言葉が出た。
『お前は、その戦いで・・・自分ひとりだけ助かったんだ!』
その言葉に、一瞬だけイサムは驚いたものの、それが嘘だというのがすぐにわかった。
というのも-----
「仮にオレ1人だけが助かったとしても----この状態は何なんだよ!」
イサムは暗い場所で、がんじがらめに縛られている。
どう考えても、こんな状態で、自分が助かっただなんて、思えない。
『ほう。ずいぶんと反発的だな』
「くそ!こんなの引きちぎってやる!」
そう言って、イサムは自分を戒めている物を強引に引きちぎろうとした。
しかし------
「うっ・・・。ぐわあああっ!」
彼は激しい声をあげた。
『そう簡単には、ちぎれんよ。それどころか抜けないようにしている対策はしてあるんだよ、脳筋君・・・』
「ぐうっ・・・!」
強引に引きちぎろうとした反動で、イサムはかなりのダメージを受けていた。
しかし彼は、再度、自分を戒めている物を強引に引きちぎろうと試みていた。
『無駄だって言ってるだろうが・・・』
ダーズも半ばあきれながらそう言った。
しかしイサムが、自分を戒めている物を強引に引きちぎろうとしているのには訳があった。
-----仮に、コイツが言ってる事が本当で、オレだけが助かっているのなら・・・
オレが、他のスマブラメンバーを助けに行くんだ!
それにはまず、ここから抜けないと!
しかし、彼の行動も無駄に終わった。
自分を戒めている物を強引に引きちぎろうとした反動で、先程よりも大きなダメージを受けてしまったのだ。
「ぐぅ・・・っ・・・・!」
イサムは声にならない声をあげ、やがて気を失った。
『だから無駄だって言ったのに・・・』
ダーズに捕らわれている時の事を思い返し、イサムは、
「オレって本当に単純なんだなー・・・」と、つぶやいていた。