直後、ガゴッ!と派手な音がした。

2人の頭部が着地(?)した音だ。

すぐさまマリオとイサムは起き上がったが、2人とも衝撃で、立ったまましばらく動けなかった。

先に動けるようになったのはマリオだった。

一方でイサムは、まだ動けない状態になっていた

「今がチャンスか」と、マリオが攻撃を始めようとするが・・・

「なんだか様子が変だぞ」


そもそもスープレックス技で受けたダメージで、しばらく動けない状態になるのなら、

かけられた相手、つまりマリオ側だけが、動けない状態になるのだが。

「なんでイサムまで・・・?」


通常の大乱闘だとこういう事はないどころか初めて見る状況に、マリオは困惑していた。

-----まさかと思うが、今の攻撃技で、自分の方が大ダメージを受けたのか・・・?

-----頭から落下する技だしな・・・?

-----オレもかなり痛かったけどな・・・

-----さすがに様子が変だぞ。


やがてイサムが、やっと動けるようになったかと思うと、彼は口を手で覆い、やや前屈みになってこう言った。

「・・・気持ち悪い・・・」


「!?」



「造り出されたスピリットって、材料となった者の特徴をコピーしただけの異種生体じゃなく、

 身体の構造も材料になった者と同じなのか・・・?

 そう仮定するとして・・・さっきのスープレックス技で頭を強打した衝撃で、

 頭部の内部になんかあったのかもしれんな」



イサムが口を押えたまま、ひざをついた。

「うう・・・」と、声にならない声を出しながら。

そんな彼に、マリオがこう言った。

「おい無理すんな。今の衝撃で頭部の内部になんかあったんだろ。一旦横になれ」

そして、イサムを地面に横たわらせた。

「顔は、やや下向きでな。吐いた時に物を喉につまらせないために」


マリオは横たわっているイサムを落ち着かせるため、

腰や背中などをなでていたが、やがてこう思ったのだった。

-----俺、なにやってるんだ!?こいつを倒さないと、イサムの母体を助け出せないんだぞ!

-----とはいえ、具合悪そうにしてる奴に攻撃は、しづらいよなあ・・・



「おそらくさっきのスープレックスでは調整してなかったんだな。」

先程のスープレックス技を思い返し、マリオがつぶやいた。


スープレックスなどの頭部を打たせるのを前提にした技は、

相手はもちろん自分も打ちどころが悪くならないように調整しているのだ。

もちろん通常の大乱闘ではイサムは技をかける時には調整はしていた。

さっき技をかけたイサムのスピリットは、調整はしていないのだろう。

だから頭部強打による吐き気が発生した可能性が高いのだ。


「-----!そういえば、さっき俺を物理的に排除しようとしたときに、服の襟の後ろを掴み上げていたな!

 普通なら服の背中の方を掴み上げるのに。首が締まらないための配慮で」

マリオの場合、オーバーオールの背中部分を掴むのが普通なのだ。


スピリットはキーラやダーズの目的を邪魔する者を排除するために作られた生体なのである。

なので邪魔者を排除するための行動に、相手への配慮や調整は必要ない。

そういった前提が、さきほどのイサムの行動に出たのだろう。


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