「ふう・・・」
ミセラはため息をついた。そして、ぼーっと窓の外の景色をみている。
場所はスマブラ選手寮の食堂。
窓から、季節特有の奇麗な景色が見える。
奇麗な景色を見る事で、食欲増進の効果をもたらす目的もあるのだ。
「ふう・・・」
ミセラは再度ため息をついた。
そんな彼女に、「よっ、どうしたんだよ。ため息なんてついてさ」と、話しかけて来た者がいた。
声の方向を向くと、そこには剣術のコンラッドがいた。
彼はコーヒーを手に「正面座っていい?」と聞いた。
「いいけど・・・」
ミセラの返事を聞き、コンラッドは正面に座った。
「どうしたんだ、さっきからため息ばかりついてるけど」
改めてコンラッドが聞いた。
「夢見が悪くてね・・・」
「なんかすごい悪夢でも見たのか?」
「すごい悪夢って訳じゃないけど・・・。バトル中の夢だったの。
百人組み手で大勢出てくる『謎のMii軍団』の一人が、
私に、恨みを晴らさせてもらうわ、って壁に押し付けてきてね・・・」
「バトル中の夢か・・・。俺も何度もあるなあ」
「もちろん、私やコンラッドだけじゃないわ。イサムもあると思うのよね」
「そういえばイサムは、まだ寝てるのか」
今の時間は午前8時をちょっと過ぎたところだ。
選手寮は起床時間の決まりはないが、食堂で食事ができる時間は決まっており、
朝食が食べられる時間のうちに起きる選手がほとんどである。
「よお、隣座っていいか」
うわさをすれば影、といった感じか。ちょうどその時、格闘のイサムが現れた。
彼の髪はボサボサだった。まあ彼はいつもそんな感じなのだが。
「あいてる席にどうぞ」と、冗談まじりでミセラは答えた。
イサムの手には、野菜ジュースとチョコバーがあり、朝食にしては妙な組み合わせだった。
「妙な組み合わせね。野菜ジュースはともかく、チョコバーって」
ミセラが言った。
「ああ、嫌な夢を見たんで、食欲なくてな。
だから野菜ジュース飲んでプロテイン採っておこうと思って」
「それ、プロテイン入りのチョコバーなんだ」
コンラッドが驚いた。
「今日はバトルがない日だから、この後、筋トレしようと思ってな」
イサムはそう言って、チョコバーの封を切った。
「ねえ」と、ミセラが言った。
「ん?何だ?」
チョコバーにかぶりつきながらイサムが返事した。
「嫌な夢って、どんなの?差支えなかったら話してもらえる?」
「いいけどさ・・・」
「私も夢見が悪かったのよね・・・」
「多分違う夢だと思うぜ?」