「調べるにしても、どうするんだよ」
イサムが言った。
“謎のMii軍団”は、『百人組み手』などのファイターの腕試しで、
バトルステージの上方から舞い降りてくる形で次々と現れる。
組み手は必ず、戦場のステージである。
「だから・・・ファイターに吹っ飛ばされた、もしくはステージアウトした“謎のMii軍団”の者達を、
つけて行ったらいいと思うの。
吹っ飛ばされた“謎のMii軍団”の者達が、どこに行くか次第では、
もしかしたらその“謎のMii軍団”の正体がわかると思うのよね」
実はファイターが吹っ飛ばされたりステージアウトした場合は、
専用の通路を使ってステージに戻る形となっている。
その時は、周辺の状況がわからないよう暗くなっていて、
舞台設置係員に誘導されて戻っていく形なのだ。
なので、他の者が違うルートで戻って行っても、わからないのだ。
ミセラは、“謎のMii軍団”は、ファイター専用の通路とは違う場所を通って、
どこか待機場所か何かに戻っているのではないか、と推測しているのだ。
「そうとなると、今度はいつ組み手があるか、調べとかないとな」
イサムはそう言い、テーブルに小型タブレットを置いた。
この小型タブレットはファイター全員に貸し出されるもので、その中にはスケジュールアプリがあり、
バトルイベントの日程の決定や変更があった時には、一斉にファイターに配信される。
さすがにファイターの人数が70人を超えると、伝言などでの連絡では限界があるのだ。
同様にミセラもコンラッドも小型タブレットをテーブルに置いた。
スケジュールアプリで『組み手』で検索すると、すぐに近い日付のものが表示された。
「ああ、明後日に百人組み手があるわね」
「ファイターはリンクか」
「気になってるのは、“謎のMii軍団”の正体だけではないのよね。
どうして組み手の種類によって強さが違うのか、よ。
百人組み手だと強攻撃で吹っ飛ばせるけど、情け無用組み手だと本当に全員強いのよね。
百人組み手の場合、わざと弱いふりしているとしても、
出てくる“謎のMii軍団”が全員同様に弱いふりをするなんて無理が出てくると思うの。
同様に、じゃあ情け無用組み手で、みんな強いのはどうして?という疑問も出てくるのよ」
ミセラが言った。
「確かにな。百人組み手はファイターの腕試しとはいえ、
全員わざと弱いふりしてるのも不自然じゃないか、という疑問も出てくるよな。
仮にそうだったとしても、情け無用組み手だと、
“謎のMii軍団”全員が本気で戦って来るっていうのか?って事にもなるんだけどな・・・」
イサムはそう言いながら、小型タブレットをしまい始めた。
「それも含めて“謎のMii軍団”の正体を調べるって事だよな」
コンラッドもそう言ってタブレットをポケットにしまい始めた。