「とおっ!」
剣を振りかざし、掛け声をあげる男性Miiがいた。
彼は華麗に回転斬りを放ち、前方に剣先を向けた。
やがて「ふう・・・」とため息をつき、前を見つめた。
「おいデレック!」
男性剣士を呼ぶ声がした。
「ん?どうした?」
彼はすぐに剣を鞘に納めると、声の方向に向いた。
この剣士の名前はデレック。
スマブラ3DS/WiiUのバトルイベントで、Miiファイター剣士として出場していた者だった。
「次のスマブラのMiiファイターの参加希望者募集のお知らせがあったんだけど」
呼んだ側は、どちらかというと興奮した状態で、話していたのだったが・・・
「何だ、出場したいのか?だったらバトルイベント運営事務所にその旨を連絡すれば、折り返し書類が来るから-----」
デレックは冷静に言葉を返していた。
しかし呼んだ側は興奮冷めやらぬ状態で「デレック!もう1回出られるんじゃないか?」と言ったのだった。
「いや、俺はもう出られないんだ」
「1度出たからか?まあそう言わずに」
「そうじゃなくて。1度Miiファイターとして出場したら、それ以降のスマブラには出場できないんだよ。
そういう規定があるし、その規定に俺は同意してるからな」
ところが呼んだ側は、ニヤリと笑い、「何言ってるんだよ」と言った。
「・・・なんだよ」
「顔と体形を変えて別人になればいいじゃん。だったら性別も変えてさ・・・」
「いや、それは出来ない」
「なんだよ真面目だなあデレック」
「違うんだよ」
「違う?」
「そういった別人成りすましの対策は、既にしてあるんだよ。Miiは顔も体形も性別も変えられる種族だからな」
「そうなんだ・・・」
「仮に俺が顔と体形と性別を変えて、前回の参加者と違う者のふりをしても、
すぐに『あなた前回にMiiファイター剣士として出場していたデレックですね』って、わかるんだよ」
「すぐにわかるんだ!すげえな」
「そりゃあ、あんなに大規模なバトルイベントだしな。顔も体形も性別も変えられる種族がいたなら、対策されて当たり前なんだよ」