場所はスマブラバトルイベント運営事務所。
そこに3人のMiiが来ていた。
来ていたのは、今度のSwitchの世界のスマブラの新たなMiiファイターではなく-----前回の『3DS/WiiU』Miiファイターの3人であった。
彼らは参戦のために来ていたのではなかった。
「・・・」
彼らは封筒を手にしている。
スマブラのファイターとしての招待状ではなく、スマブラバトルイベント運営事務所から送られてきた、事務的な封筒に入っていた手紙である。
「急に呼び出して来て、どうするんだろう・・・」
タツヤがつぶやいた。
「今度のSwitchの世界のスマブラのMiiファイターは、決定しているはずなのにな・・・」
デレックが言った。
「・・・しかも、アームキャノン持参のうえお越しくださいって書かれてたのよねえ」
シュリが言うと、デレックが「俺のは剣をお持ちくださいって書いてたんだよな」と言った。
その2人に対してタツヤは、
「オレは・・・装備品持参の件は、何も書いてなかったから何も持ってきてないな。
でも手をガードするグローブ着けないで素手で戦ったら、下手すると指を骨折するかもしれないんだがな・・・」
と言ったのだった。
不安げな3人の前に、バトルイベント事務所の事務員が現れた。
「お待たせしました。前回のMiiファイターの、剣士のデレックさんと、射撃手のシュリさんと、格闘のタツヤさんの3人ですね」
3人は「はい」と、答えた。
「あの----我々を呼び出したのは、どうしてでしょうか----」
デレックが聞いてみたが、事務員は「マスターハンドの指示です」とだけ答えた。
「マスターハンドの指示!?」
場所は変わって事務所隣の会議室。かつてデレックとシュリとタツヤは、バトルイベント開催前に、この部屋でMiiファイターとしての説明を受けていた。
なので今日は、今度のSwitchのスマブラの、新たなMiiファイターがこの部屋にいるはずなのだが、誰もいなかった。
-----あ!呼び出された理由は、きっと、今度のMiiファイターにアドバイスしてくださいね、みたいな物なんだろうなあ!
3人は、そう思ったのだが-----
そんな彼らに、思わぬ物が手渡された。
事務員が紙袋を3人に手渡し、こう言った。
「紙袋に入った服に着替えてください」
「着替える!?待って!」
驚いたのはシュリだった。というのも。
「更衣室ない?」
「ご心配なく」
事務員がそう言うと、パチンと指を鳴らした。
すると、シュリ、デレック、タツヤの3人の各周りを、カーテンのような物で囲まれた。
簡易的ながらも更衣室は用意されていたのだ。
バサッバサッ
何度か簡易更衣室のカーテンが大きく揺れた。そして着替え終わるとすぐにカーテンは開いた。
着替え終わった3人の姿を見て、事務員がこう言った。
「以前と変わらず、お似合いですね」
「お似合いって・・・」
タツヤが驚く。
「この服・・・久しぶりに着るけど」
シュリも同じく驚いてる。
「まさかまた着る事になろうとは・・・」
その服装とは----
かつてシュリ、デレック、タツヤの3人がMiiファイターとしてスマブラに参戦していた時の衣装であった。
「では、そのままお待ちになってください」
事務員はそう言って、会議室を出た。
「驚いたわ。まさかこの衣装を、また着る事になるとはね」
シュリが言った。
前回のバトルイベント終了の時に、Miiファイターは衣装を返却する事になっていた。
なので、もうこの衣装を着る事はないと3人は考えていたのだ。
「衣装を回収するのは理由があって、Miiファイターだった本人が転売や譲渡するのを防止するためじゃなく、盗難を防止するためだ、という説明があったな。
どんな物でも目立った活躍の人の品物を欲しがる人がいるから、という事で」
「オレ達がMiiファイターになった時に衣装を受け取りに行った時も、強奪防止にと、かなり厳重な応対してたしな・・・」
3人は久しぶりに着る衣装に、懐かしさを感じつつも、不安がよぎっていた。