後日。

SPと呼ばれるスマブラバトルイベント開催の直前の日になった。

この日は今回参戦するファイターに対しての説明会があった。


といっても、最初から参戦するファイター8人とMiiファイター3人の、合計11人だけなのだが。

後日、条件を満たすと参戦する『隠れファイター』が全員揃った時点で、改めて もういちど説明会を開くのだ。


説明会の場所は、スマブラバトルイベント運営事務所横にある会議室だ。

そして説明するのは、もちろんマスターハンドである。




格闘のイサムは既に、『選考戦で手紙を奪われた人』として、レギュラーファイター達に覚えられていた。

「なんだか恥ずかしい・・・」

そう言ってイサムが赤面する。


説明会は、バトル上での簡単な注意事項、バトルイベント期間中に暮らす場所の選手寮についての説明、

そして、特定のファイターの熱狂的なファンによる襲撃があるかもしれないという注意喚起など。

とはいえ、バトルも選手寮での暮らしも、おのずと慣れてくる事だし、状況によっては変わる事もあるかもしれないから、

あまり細かい規則などは定めていないのだ。



一通り説明が終わったあと、マスターハンドは改めてこう言った。

「みんな!・・・手回り品には気をつけろ!」

まるで人混みに行く人への注意のような事を突然言い出したため、Miiファイター達は驚いた。


「ファイターの私物を狙う奴がいるんだよなー・・・」

説明代わりに そう言ったのは、フォックスだった。

さらに「Mr.ゲーム&ウォッチが、ベルをひったくられた事があったんだよな」

とマリオが言うと、

「そのベルはどうしたの?」

と、射撃のミセラが聞いた。

「すぐに取り返したけどね。あれはベル職人の手作りだから、本当に大事にしている物なんだよ」

「そうなんだ・・・。私も装備品を盗まれないように気をつけなくちゃね・・・」



「Miiファイター選考戦で、格闘のイサムが優勝者の証の手紙を奪われたのだが」

マスターハンドがそう言うと、イサムは、

「いや、お恥ずかしい・・・」

と、顔を赤らめた。

「さすがに、大きな鳥が奪いに来る事は、誰も予想はしないと思うがな」


「盗んだ犯人は捕まったのですか?」

剣術のコンラッドが聞いた。

「ああ、翌日に捕まったそうだ」

「そうなんですか、よかっ・・・」

イサムは、手紙を盗んだ者が捕まったという話を聞き、一瞬安心したものの・・・

「もしかして、捕まったのは、手紙を盗ったタカの方・・・?」

と聞いたのだった。

さすがにタカが自分の意志で手紙を盗ったというのは考えにくいからだ。

「タカの方は、もちろんの事、手紙を盗るように調教した側も、ちゃんと捕まったから安心しろ」

「あ、いや、実はタカがどうなったのか気になって・・・」

「ほう」

「そのタカは悪くないと思うんです。手紙を盗るように調教した奴が悪い、と思うんです・・・オレは・・・」

イサムがそう言うと、マスターハンドは再度「ほう」、と言った。


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